資料1-2 指定難病に係る新規の疾病追加について情報提供のあった疾病(個票(第54回指定難病検討委員会において検討する疾病)) (76 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37543.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第54回 1/31)《厚生労働省》 |
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○ 概要
1.概要
5q.31.3 領域にある PURA 遺伝子のヘテロ接合性の病原性変異を原因とする重度の知的および運動発
達の遅れを特徴とする先天異常症候群である。他に筋緊張低下、低体温、傾眠、摂食障害、吃逆過多、無
呼吸やてんかん、非てんかん性の異常運動(ジストニアなど)、視覚障害を認める。PURA 遺伝子は全身の
細胞で DNA の複製の調節に関与しており、特に中枢神経の正常発達に不可欠と考えられている。ほか
に、先天性心疾患、尿路奇形、骨格異常、内分泌異常などを合併することもある。多臓器にわたる症状は
小児期以降も軽快せず、成人期以降も持続する。
2.原因
5q.31.3 領域にある PURA 遺伝子のヘテロ接合性の病的バリアントないしは同領域の染色体微細欠失を
原因とする。
3.症状
重度の精神発達遅滞、筋緊張低下、てんかんを認める。眼振や斜視、無呼吸発作・低換気、先天性心
疾患、哺乳不良・摂食障害、嚥下障害、胃食道逆流、便秘など。骨格では、側弯や股関節脱臼などを認め
る。
4.治療法
対症療法が中心となる。早期からのリハビリテーションや療育の参加は重要。摂食障害や哺乳障害など
には経管栄養も考慮する。また、逆流や誤嚥性肺炎などを繰り返す場合には胃ろう造設も考慮する。てん
かんに対しては抗てんかん薬を用いる。無呼吸や換気障害では、呼吸モニターを行う。
5.予後
合併するてんかんなどの神経症状および無呼吸発作や低換気などの呼吸障害、気道感染などが予後
を左右する。成人期以降は、栄養管理や関節拘縮、側弯の進行、てんかん発作の変化、気道感染に注意
する。
○ 要件の判定に必要な事項
1.患者数
約 100 人
2.発病の機構
不明(PURA 遺伝子の機能喪失変異ないしはハプロ不全が原因であるが、その発症病態は不明である。)
3.効果的な治療方法
未確立(各症状の対症療法のみ。)
4.長期の療養
必要(多臓器にわたる症状は小児期以降も軽快せず、成人期以降も持続する。)
5.診断基準
あり
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