病院等における風水害BCPガイドライン-補遺・改訂版- (22 ページ)
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出典情報 | 病院等における風水害BCPガイドライン-補遺・改訂版-(9/2)《日本病院会》 |
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回答いただいた浸水予想階の使用用途をみると、以下のような災害時病院機能継続に重要な機能を
果たす「室」
、
「設備」等が配置されています。
災害時診療機能継続関係「室」
「設備」等
病室、救急センター、手術室、検査室、薬局、
医療ガス機械室等
災害時医療体制(指示・命令、情報収集等)関係 院長室、防災センター等、サーバー室、
「室」
「設備」等
電話交換器室等
災害時インフラ機能「室」
「設備」等
電気室、非常用自家発電設備、受水槽等
災害時必要物資確機能「室」等
災害備蓄品庫等、医薬品備蓄庫
このような機能を果たす「室」
、
「設備」が浸水想定階に配置されている理由として以下のことが考
えられます。
( 1 ) 病院建物建設時の「地域浸水危険情報の空白化」
回答いただいた浸水想定区域内所在病院の建物等着工年月日は不明ですが、洪水浸水想定区域の指
定は2001 年(平成13 年)
、内水出水浸水想定区域は2015 年(平成27 年)の水防法改正により制
度化されており、病院所在地の浸水危険情報が確認できず、病院建物に反映できなかった可能性があ
ります。
このことは、前述の流域治水関連法改正による洪水等浸水想定区域対象河川を拡大する水防法改正
目的である「浸水地域のリスク情報空白区域解消」を必要とする実例です。
( 2 ) 震災時の病院機能継続を考慮した機能を有する「室」
、
「設備」の配置
本件浸水想定階に配置されている病院機能継続に必要な「室」
「設備」等は、震災時にも当然に必要
であり、震災対策として震度等を考慮すると揺れに対する耐震性やエレベーター等が停止した場合の
アクセスの容易性等を考慮すると、より低層階又は地階への配置を考慮されることになります。
したがって、災害時の地域医療の拠点となる病院において、災害時の病院機能継続に必要な「室」
及び「設備」等の建物内の配置を検討する場合、日常使用の利便性に配意しつつ、震災時と風水害時
における機能確保を考慮して各「室」等の設置階や建物内の配置を検討する必要があります。
洪水等浸水想定区域所在病院においては、震災時、風水害時を考慮した機能確保に必要な「室」等
の配置は、想定浸水深を前提とした非浸水階から上階での検討となりますが、既存建物の場合にはス
ペースや耐震性確保等の制約があり難しい課題があるものと思われます。
そのため、後述する「Ⅵ 病院建物浸水防止対策(病院BCP ハード対策)
」を参考としていただき
たいと思います。
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