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保険局国民健康保険課説明資料(参考資料)[18.4MB] (166 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_54381.html
出典情報 全国高齢者医療主管課(部)長及び国民健康保険主管課(部)長並びに後期高齢者医療広域連合事務局長会議(2025年3月13日開催 3/13)《厚生労働省》
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医薬品の適正使用に向けた取組 事例11

千葉県

浦安市



人口

169,552人
(令和5年1月時点)

国保被保険者数

24,474人(総人口の14%)
(令和5年9月時点)

対象者に対して、委託業者から通知とお薬相談に関するアンケートを送付。対象者が
回答した内容を踏まえ、委託業者の薬剤師が保健指導を行う取組
また、委託事業で介入困難な健康被害リスクの高い対象者に対して、市の保健師が、
薬剤師会の薬剤師の事前相談を踏まえて服薬行動等の保健指導を実施

抽出基準等(令和5年度)

事業対象者抽出基準









次のいずれかに該当する75歳未満の国保被保険者
1.重複投与:同系の効能の薬が複数の医療機関から処方されている者
2.多剤投与:4月診療分レセプトで、15日超の処方を対象とし、10剤以上
の医薬品が処方されている者
3.有害事象発生リスクあり
・傷病禁忌:傷病や検査値により投薬が禁止されている処方の組み合わせが
発生している状態
・併用禁忌:添付文書上で併用が禁止されている薬剤の組み合わせが発生
している状態
・漫然投与:本来短期的に処方されるべき薬剤が長期的に継続して処方され
ている状態

抽出期間

診療月:令和5年4月

事業対象者抽出基準
該当者数

重複投与:172件、多剤投与:390人
有害事象発生リスクあり:1,667件(延)

除外基準

がん治療中の方、人工透析中の方、 厚生労働省が定義する指定難病の方、
令和4年度の支援実施対象者

通知対象者数
・実施者数

実人数450人
(重複投与:127人、多剤投与:287人、有害事象発生リスクあり:355件)

保健指導実施者数

重複投与:10人、多剤投与:22人

➢ 「抽出基準等」の考え方


<アウトカム指標>
目標値

実績値

目標値

実績値

重複投与者保健指導実施率

70%

7.9%

重複投与者の減少割合

50%

65.4%

多剤投与者保健指導実施率

70%

7.7%

多剤投与者の減少割合

30%

40.8%

評価指標

➢ 「評価指標」の考え方
経年的に評価できる人数ベースの数値を指標に設定。薬剤費の評価は困難であり設定せず。
実績を積み上げて経年変化を把握し、今後、検証予定

*令和6年度「国民健康保険における保健事業のあり方に関する調査研究等事業」

予算規模やマンパワーを考え450人程度抽出される基準として、前年度実績を踏まえ薬剤師会
に相談しながら設定

(優先順位)健康面への影響が大きく最も懸念される服薬課題であると認識し最優先
(令和5年度:①併用禁忌→②重複投与→③傷病禁忌→④多剤投与→⑤漫然投与で選定)
広く被保険者に通知するため、前年度の事業対象者は対象外とし、新規に対象となった者を優先的に通知

➢ 保健指導





特定健診の受診状況を確認し、必要に応じて受診勧奨
【R6】事業対象者に「服薬情報通知書」及び「お薬に関するアンケート」を送付(回収率
40%)「服薬に関して心配なこと」、「通知を持参して医療機関や薬局に相談行った・もしくは行
く予定かどうか」等を把握。回答内容をもとに、委託業者の薬剤師が相談対応
【R6】ハイリスク者とそれ以外の対象者に対して状態を考慮しながら、直営と委託を組み合わせて
保健指導を実施

➢ 庁内との連携
【R6】地域包括支援センター等が参加する業務連絡会で市の事業内容を説明し、必要に応じ
て事業を活用してもらうよう協力を依頼。保健指導の中で、経済的に困窮しているケース等、他
部署と連携し多方面から支援介入したほうがよい事例を確認

➢ 医療関係者との連携



〔薬剤師会〕事業対象者リストのうち、服薬によるリスクの高い者を中心に通知や保健指導方法
について個別具体に相談。ジェネリック促進シールを各薬局から希望者へ配布するよう協力依頼
〔医師会〕本事業の説明や実績を報告。必要に応じて、協力を依頼

取組の効果・波及効果





評価指標




取組の工夫



評価指標(令和5年度)
<アウトプット指標>

小規模



【R5実績】重複投与者:対象127人中83人改善(改善率65.4%)
【R5実績】多剤投与者:対象287人中117人改善(改善率40.8%)
【R5実績】有害事象発生リスクあり:対象355人中156人改善(改善率43.9%)
【R6】アンケート結果から、医療機関や薬局への相談状況を確認。295人中62人が「相談に
行った、または行く予定」と回答しており、自ら服薬相談した対象者割合を把握できた。
本事業の開始が薬剤師の声を伺うなどのこれまでにない連携体制を構築するきっかけとなった。

今後の課題





薬剤削減効果や医療費削減効果について、他自治体との比較が困難
長期にわたり多剤処方されているが、特定健診未受診者でもあり情報が少ない方(とくに精神
疾患有り)への支援
医師会・薬剤師会との連携強化

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