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資料1-2 令和5年度研究事業実施方針(案)の概要【AMED研究】 (74 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26761.html
出典情報 厚生科学審議会科学技術部会(第130回 7/14)《厚生労働省》
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エイズ対策実用化研究事業
事業概要(背景・目的)
世界でのHIV感染者は2020年末時点で約3,760万人と推定されており、日本では新規のHIV感染者・エイズ患者が1,095件報
告されている。治療薬の進歩により、HIVに感染してもその後のエイズ発症を抑制することが可能となってきたが、HIV感染症
自体は治癒することはなく、生涯にわたる薬剤服用が必要となる。また治療薬の進歩の一方で、薬剤耐性ウイルスの出現の
可能性や、HIV感染者の高齢化に伴う服薬アドヒアランスの確保などの問題もある。さらに、HIV感染症罹患に伴い発生する
合併症の制御も課題となっている。上記の課題に対応するべく、新たな治療法等の開発研究を基礎から実用化まで一貫して
推進する。併せて、HIV感染症の基礎研究分野における若手研究者を実践的な環境下で育成し、HIV感染症研究の人的基
盤拡大を図る。

令和5年度要求額

653,280千円

PJ(モダリティ)区分
医薬品
医療機器・ヘルスケア
再生・細胞医療・遺伝子治療
ゲノム・データ基盤
疾患基礎研究

要求額(千円)
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653,280

シーズ開発・研究基盤

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令和5年度概算要求のポイント
エイズ対策実用化研究においては、HIV感染症の治癒を目指して根治療法等の開発に繋がる研究を推進する。 具体的には、新規ワクチン・治療薬開発、 HIV根治に向けた医薬
品シーズ探索、HIV感染の機構解明、HIV関連病態解明と治療法開発、 HIVの機能タンパク質立体構造予測、動物モデル開発、HIV感染症領域における新たな知見の創出を推進
する。 なお、要望措置額部分については、以下の研究を実施する。
・HIVと宿主とのインタラクションを免疫学的観点から解析し、HIV感染症の効果的な予防・治療、感染拡大の抑制に効果の高いワクチン等免疫療法を開発する。
・iPS細胞の技術等を用いたHIV感染の根治療法創出を目指した基礎から実用化を目指す研究を実施する。
・HIV潜伏感染機序の解明、感染機構の解明、HIV感染病態進展の解明、HIV感染と宿主免疫応答の関連解明等を通して、HIV感染症の根治療法に資する新たな知見を創出する。
・薬剤耐性や、薬による副作用の問題を解決するため、新たな作用機序を持つ抗HIV薬創出、既存の抗HIV療法の効果を上げるシーズの探索、抗HIV療法の新機軸となる抗HIV薬
の開発等を実施する。
・新たなHIV潜伏感染を呈する動物モデル、ヒト免疫反応を模式するHIV感染モデルの確立から、前臨床評価による有効性評価等への応用を目指したモデルを開発する。
・服薬アドヒアランス確保に向けた研究として、非経口的投与法による抗HIV療法の確立や長期抗HIV作用効果の抗HIV薬を創出を目指す研究を実施する。

これまでの成果概要等
・新規抗原を用いたCD8陽性T細胞誘導HIVワクチンの経直腸粘膜感染防御効果を動物実験で明らかにした。また、多様性の高い表面蛋白抗原を用いないHIVワクチンで、初めて
抗体非依存性の粘膜感染防御効果を示した。(2022年2月)
・HIV特異的TCRをヒトiPS細胞に遺伝子導入したHIV-iPS-T (iPS細胞由来HIV特異的CD8+T細胞)を作製し、親CTLクローンよりもin vitroで長く生存し、HIVの複製を抑制できることを明
らかにした。(2022年2月)
・新規PKC活性化剤10-Methyl-aplog-1(10MA-1)とブロモドメインおよびエクストラターミナルドメインモチーフの阻害剤JQ1との併用により、強力かつ相乗的に潜伏感染HIVを再活
性化することを見出した。 (2021年4月)
・HIV-1の5ʼ末端におけるGの残基数が一つの場合と、二つ以上の場合で、構造の安定性が大きく異なり、ゲノムRNA構造に与える影響を解明した。また5ʼ末端にGが一つの場合は
5ʼ-UTRの一部分で安定な構造が形成されること、およびその立体構造を明らかにした。(2021年4月)
【疾患基礎研究】
<アウトプット>
・研究成果の科学誌(インパクトファクター5以上)への論文掲載件数(令和3年度末)25件
<アウトカム>
・シーズの他の統合プロジェクトや企業等への導出件数(令和3年度末)0件

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