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令和5年度厚生労働科学研究の概要 (10 ページ)

公開元URL https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000239529
出典情報 「令和5年度厚生労働科学研究」に関する御意見募集について(8/5)《厚生労働省》
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4.倫理的法的社会的課題研究事業
1.研究事業の目的・目標
【背景】
昨今の医療技術の発展は目覚ましく、これら最先端の技術が、社会に思わぬ影響を及ぼすこ
とがある。特に近年は、ゲノム、ICT、人工知能(AI)等の新たに生み出された科学技術を社
会実装してより一層イノベーションを推進していくことが重要であるが、これらの新たな技術
がもたらす倫理的、法的、社会的諸問題(以下「ELSI(※)」という。)が、既存の社会的枠組
に与える影響が大きいことも予想されている。
この影響が、イノベーション推進にブレーキをかけることがないように、新たな技術がもたら
す ELSI を抽出し、その影響度等に応じて必要な政策を立案、実施することが必要である。
特に、厚生労働分野は国民生活と密接する部分が多く、国民の関心も高いものの、健康・医療
関連に特化した具体的な ELSI の抽出、解決に向けた研究は、国内では十分行われていないこ
とが指摘されており、より一層の研究の推進が必要である。
※ELSI:Ethical, Legal and Social Issues(倫理的・法的・社会的課題)
【事業目標】
医療技術の中でも特に影響が大きいと予測される、ゲノムと AI に焦点を当て、これらの新
たな科学技術の開発と、新たな科学技術がもたらす ELSI を検討する本研究事業を並行して行
うことにより、イノベーションを加速させることを目指す。
【研究のスコープ】
①ゲノム分野における ELSI に関する研究
②AI 分野における ELSI に関する研究
【期待されるアウトプット】
ゲノム分野については、国民が安心してゲノム医療を受けられるために回避すべき社会的不
利益に対する対応策に関する検討結果。
AI 分野については、デジタル技術を活用した研究手法(電磁的同意(eConsent)等)やビッグ
データの取り扱いにおける課題抽出、国際的な動向を踏まえた対応策の提言等。
【期待されるアウトカム】
本研究事業のアウトプットは、今後新たな科学技術がもたらす ELSI に対する現状の課題整
理に用いる基礎的資料となり、国民が安心してゲノム医療又は AI を活用した医療・介護等を
受けるための環境整備の進展、開発・受容に伴う課題の解決によるイノベーションの加速が期
待される。
2.これまでの研究成果の概要
・「国民が安心してゲノム医療を受けるための社会実現に向けた倫理社会的課題抽出と社会環
境整備」では、安心してゲノム医療を受けるための社会実現を目指し、がんや難病診療におけ
る二次的所見開示推奨度や、ゲノム医療の現場におけるコミュニケーションガイドラインの策
定、患者市民参画体制の整備等を行った(令和2~4年度)。
・「医療AIの研究開発・実践に伴う倫理的・法的・社会的課題に関する研究」では、研究開
発において顕在化する課題、開発者が遵守すべき生命倫理を整理した(令和2~3年度)。さ
らに、デジタル技術を活用した研究手法における ELSI の抽出及び対応策に関する研究を令和
4年度より開始予定である(令和4~6年度)。
3.令和5年度に継続課題として優先的に推進するもの

「研究のデジタル化に伴う倫理的・法的・社会的課題の抽出及び対応策の提言のための研究」
では、世界的な研究活動のデジタル・トランスフォーメーションの流れの加速の中で、人を対
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