よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


令和5年度厚生労働科学研究の概要 (42 ページ)

公開元URL https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000239529
出典情報 「令和5年度厚生労働科学研究」に関する御意見募集について(8/5)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

15.慢性の痛み政策研究事業
1.研究事業の目的・目標
【背景】
多くの国民が抱える慢性の痛みが QOL の低下を来す一因となっているという背景か
ら、「今後の慢性の痛み対策について(提言)」(平成 22 年9月、慢性の痛みに関する検
討会)に基づき総合的な痛み対策を遂行している。
慢性の痛みについては、器質的要因だけでなく、精神医学的、心理的要因からの評価・
対応も必要であるため、診療科横断的な多職種連携体制で、認知行動療法を含めた多角的なア
プローチにより診療をおこなう痛みセンターの構築を進め、令和4年4月現在全国 34 箇所ま
で拡大するなど、着実な成果を上げている。また平成 29 年度から、痛みセンターと地域の医
療機関が連携し、地域において適切な慢性疼痛の診療を受けられる体制を構築するための「慢
性疼痛診療システム構築モデル事業」で構築した体制を活用した「慢性疼痛診療システム普
及・人材養成モデル事業」の実施、痛みの診療について実践可能な人材の育成、地域の医療提
供体制へ慢性疼痛診療モデルの展開を行っている。地域での慢性疼痛の医療体制を構築、充実
化し、また全国に均てん化することで、慢性の痛みの医療を向上させ、患者の療養生活におけ
る環境整備や QOL 向上に資する成果を上げることが期待される。
【事業目標】
痛みセンターを中心とした診療体制の構築・充実、痛みセンターでの診療を通じた診療デー
タベースやレジストリ構築による患者層別化、疾病の原因・予防法の検討及び診断法・客観的
評価法の開発、就労支援、普及啓発、疫学研究等を実施し、慢性の痛みに悩まされている患者
の QOL の向上、診療の質の向上を目指す。
【研究のスコープ】
・地域における慢性疼痛対策の進捗管理・課題抽出
・ガイドラインやマニュアル等の作成
・慢性疼痛診療体制の充実・普及・実装
【期待されるアウトプット】
・データベースによる患者の層別化や、作成したガイドライン等の活用により、痛みセンター
を中心とした痛みの診療システムを構築・充実・普及し、全国への均てん化を推進し、ドクタ
ーショッピングを回避して早期診断、早期治療を可能にする。
・「慢性疼痛診療システム普及・人材養成構築モデル事業」の評価の成果を活用して、患者が
身近な医療機関で適切な医療を受けられるようにする。
・慢性の痛み診療データベースを活用した痛みセンターでの診療効果が期待できる患者の層
別化を可能にする。
・慢性疼痛患者の療養生活環境が整備され、QOL が向上する。
・痛みセンターでの集学的診療や支援の有効性に関するエビデンスが蓄積される。
【期待されるアウトカム】
慢性疼痛についての理解が促進され、慢性疼痛を理由に国民が社会参加を諦める必要のない
環境を実現することが可能となる。また痛みセンターを中心とした、診療ガイドラインに基づ
く適切な治療が行われる医療環境が整備される。さらに、痛みによる離職を防止し、復職を支
援するマニュアルの整備、普及により、就労困難を中心に生じる社会的損失が縮小される。
2.これまでの研究成果の概要
・痛みセンターの国内外の調査の実施(国内の地域別診療体制別治療成績・海外の慢性疼痛診
療体制視察等)(令和元年度、令和4年度も継続中)
・慢性疼痛診療ガイドラインの刊行(令和3年度達成)
41