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令和5年度厚生労働科学研究の概要 (64 ページ)

公開元URL https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000239529
出典情報 「令和5年度厚生労働科学研究」に関する御意見募集について(8/5)《厚生労働省》
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4.令和5年度に新規研究課題として優先的に推進するもの
・「肝炎ウイルス検査受検率の向上及び受診との円滑なつながりに資する研究」
これまで、自治体や職域等で実施される肝炎ウイルス検査の受検を促進し、陽性者を受診・
受療につなげる手法や受検後に検査陽性者を継続的なフォローアップにつなげるシステムの
構築について検討し、一定の成果を得てきた。改正された肝炎対策基本指針においても、受検、
受診、受療及びフォローアップの全体的な状況について、都道府県や市区町村との連携を深
め、引き続き把握に取り組むこととされている。
本研究では、既存の手法の質の向上に加えて、新たなアプローチも検討し、肝炎ウイルス検
査の受検者・陽性者の背景や地域の実情に応じた受検率・受診率の向上、効果的なフォローア
ップシステムの確立および陽性者を適切な肝炎医療に繋げる方策などが求められており、その
有効性について検証を行う。
・「多様な病態に対応可能な肝疾患のトータルケアに資する人材育成及びその活動の質の向上
等に関する研究」
これまでの研究において、受検、受診、受療のいずれのステップにおいても、肝炎医療コー
ディネーターの介入が有効であることが報告されており、また肝炎に係る医療相談体制の提供
にも重要な役割を担っている。育成された肝炎医療コーディネーターの活躍により、肝炎ウイ
ルス患者の支援体制の拡充がさらに図られると考えられるが、肝炎医療コーディネーターの養
成後の具体的なスキルアップ方法や肝炎医療コーディネーターの職種及び配置場所に応じた
効果的な活動の方法を通じたコーディネーター間での情報共有や連携がしやすい環境につい
ては十分な検討がなされていない。
新たな質の高い人材育成及び活動の質の向上の方策等について、地域や施設の実情や特色を
踏まえて検討する。また、昨今の肝疾患の動向を考慮し、多様な病態である肝疾患全体につい
て、肝炎患者等自身が診療についての一般的な知識を持つことにより、適切な受検・受診行動
に結びつくよう、肝炎医療コーディネーターの活動を補助する資材とその有効性について検討
する。
・「様々な生活の場における肝炎ウイルス感染者の人権への望ましい配慮に関する研究」
肝炎対策基本指針において、肝炎患者等に対する偏見や差別を解消するためには、正しい知
識の普及を前提に、感染症患者に対する偏見や差別の歴史を踏まえ、肝炎患者等の人権を尊重
するためにはどのようにふるまうべきかを考え、学ぶことが重要であるとされている。先行の
研究において肝炎患者に対する偏見や差別を解消するためソーシャルメディア等を利用した
啓発が実施されているが、肝炎に関する正しい知識を元に、どのように肝炎患者等の人権の尊
重に配慮し、国民一人一人が考え、行動していくための方策につなげるかについて十分な検討
はなされていない。
偏見や差別の解消のために、メディア等を活用した既存の方法を継続しつつ、特に、肝炎患
者と関わることが多い医療機関においての患者への対応方法等を検討し、様々な場における人
権尊重の推進方策やその有効性を検証する。また、地方公共団体、学校教育関係者、患者団体
等の様々な関係者と連携し、肝炎患者等に対する適切な配慮について学ぶための方策について
検討する。
5.令和5年度の研究課題(継続及び新規)に期待される研究成果の政策等への活用又は実用
化に向けた取組
【継続】
・「全国規模の肝炎ウイルス感染状況の把握及びウイルス性肝炎 elimination に向けた方策の
確立に資する疫学研究」
肝炎ウイルス感染者数等の実態を明らかにしたこれまでの疫学調査結果と、現状の肝炎医療
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