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令和5年度厚生労働科学研究の概要 (38 ページ)

公開元URL https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000239529
出典情報 「令和5年度厚生労働科学研究」に関する御意見募集について(8/5)《厚生労働省》
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14.移植医療基盤整備研究事業
1.研究事業の目的・目標
【背景】
移植医療は、患者にとって疾患の根治を目指す重要な治療法である一方で、任意・善意の下
でのドナーによって初めて成立する医療でもあり、その意思を最大限尊重する必要がある。ド
ナーやレシピエントにかかる身体的・心理的・経済的負担を軽減することが移植医療における
大きな課題であり、また、ドナーの安全性を確保しつつ、適切な提供の推進を図ることが必要
不可欠である。
【事業目標】
臓器移植については「臓器の移植に関する法律」、造血幹細胞移植については「移植に用い
る造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律」により、ドナー・レシピエント双方にとって
安全で公平な医療が求められている。本研究事業により得られる、各審議会での議論に用いる
基礎資料やより良い提供体制構築のための政策提言等を通じて、ドナーの安全性やドナー家族
を含めた国民の移植に対する理解を確保しつつ、適切に移植医療を提供するための施策の見直
しや制度設計、政策の立案・実行等につなげる。
【研究のスコープ】
○臓器・組織移植分野
・幅広い世代における国民の臓器・組織移植に関する理解の促進
・臓器提供から臓器移植までのプロセスが一貫して円滑に実施されるための医療体制の構築
○造血幹細胞移植分野
・造血幹細胞移植、造血幹細胞の提供に関する正しい知識の普及啓発
・ドナーの安全性を確保しつつ、負担がより少ない方法で骨髄・末梢血幹細胞を提供できる環
境の整備
・臍帯血提供の促進、より良質な臍帯血を採取・調製保存できる体制の構築
【期待されるアウトプット】
○臓器・組織移植分野
小児の臓器提供における問題点や課題を明らかにし、その改善策に基づいた小児臓器提供を
円滑に行うための手法を明らかにする。また、臓器提供に関する普及啓発について、科学的根
拠に基づいた新たな普及啓発モデルを構築する。
○造血幹細胞移植分野
造血幹細胞の提供体制構築を推進する上での課題や、ドナーとドナー家族への効果的な普及
啓発方法を明らかにする。また、骨髄・末梢血幹細胞・臍帯血のそれぞれについて、最適な移
植医療を実施するための科学的な知見を蓄積し、診療ガイドラインの作成・更新等を行う。
【期待されるアウトカム】
○臓器・組織移植分野
臓器移植医療における環境改善を目的とした臓器・組織提供時の各施設内での職種間の連
携、地域における施設間での効率的な連携体制や小児の臓器提供における特有の問題点を明ら
かにすることで、研究成果であるマニュアルの有効活用や、選択肢提示を行う際の人員の育成
などを、各施設の状況に応じて実施することを可能にし、幅広い施設で臓器提供が行われるこ
とにつながる。また、科学的根拠に基づく普及啓発の展開により、臓器提供の意思表示率の向
上や結果としての臓器提供数の増加に資する。
○造血幹細胞移植分野
若年ドナーが造血幹細胞を提供しやすい環境、末梢血幹細胞の効率的な提供体制、より良質
な臍帯血の確保・調製保存体制等が整備され、移植を必要とする患者に適切なタイミングで造
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