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令和5年度厚生労働科学研究の概要 (61 ページ)

公開元URL https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000239529
出典情報 「令和5年度厚生労働科学研究」に関する御意見募集について(8/5)《厚生労働省》
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21.肝炎等克服政策研究事業
1.研究事業の目的・目標
【背景】
B型・C型肝炎は国内最大級の感染症であり、適切な治療を行わないまま放置すると肝硬変、
肝がんといった重篤な病態に進行する恐れがある。肝炎の克服に向けた対策を総合的に推進す
るため施行された肝炎対策基本法に基づき、肝炎対策基本指針が制定された。その中で、①肝
炎ウイルス検査のさらなる促進、②適切な肝炎医療の推進、③研究の総合的な推進、④正しい
知識のさらなる普及啓発、⑤相談支援や情報提供の充実、等が基本的な方向性として示されて
いる。これらを研究の側面から効果的に推進するため、肝炎研究推進戦略(肝炎研究 10 カ年
戦略の見直し)が令和3年5月に制定された。同戦略では、利便性に配慮した検査体制の整備、
肝炎ウイルス陽性者に対するフォローアップ体制の構築、肝炎に係る医療・相談体制、肝炎患
者等に対する偏見・差別への具体的な対応策や就労支援、肝炎患者の実態把握、各種事業の推
進や、医療機関等における肝炎対策の効果を検証するための指標の開発・運用等が課題となっ
ており、これらの課題解決に資する行政研究および政策立案の基盤となる疫学研究の推進が求
められている。
【事業目標】
肝炎対策を総合的に推進するための基盤となる疫学研究と行政的な課題を解決するために
必要な研究を推進する。
【研究のスコープ】
①疫学研究
・肝炎ウイルス感染者数やウイルス性肝炎患者数や予後の実態把握等のための疫学研究
②肝炎検査の実施体制の向上
・肝炎ウイルス検査の受検促進及び検査後の効率的なフォローアップのための研究
③肝炎医療を提供する体制の確保
・肝炎対策の効果検証に資する指標等による適切な肝炎医療の推進に資する研究
・肝硬変、肝がん等の病態別の実態を把握するための研究
・地域における病診連携の推進に資する研究
④肝炎医療に関する人材の育成
・肝疾患のトータルケアに資する人材育成などに資する研究
⑤肝炎に関する啓発及び知識の普及並びに肝炎患者等の人権尊重
・肝炎ウイルスへの新たな感染の発生防止や肝炎患者への偏見・差別の防止に資する研究
【期待されるアウトプット】
①疫学研究
・肝炎対策の変化に応じた肝炎患者数の将来推計を行うための疫学資料を作成する。
・モデル地域のウイルス肝炎の elimination(排除)到達度を把握する。
②肝炎検査の実施体制の向上
・これまでの受検勧奨等の施策の効果検証を行い、より効果的・効率的な受検・受診・受療・
フォローアップのアプローチ方法を提示する。
③肝炎に医療を提供する体制の確保
・都道府県での肝炎対策計画策定の参考となる指標の効果的な運用方法を提示する。
・肝がんに対する外来治療を含む肝がん・肝硬変治療の診療ガイドラインの改訂に資するデー
タを蓄積する。
・地域の医療体制やインフラの整備状況に応じた診療連携を促進するための方法論を提示す
る。
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