【資料2】薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2024(たたき台) (100 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47987.html |
出典情報 | 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第12回 1/8)《厚生労働省》 |
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(5)ゲノムサーベイランス
① ヒト由来薬剤耐性菌と食品由来、動物由来薬剤耐性菌のゲノム比較
薬剤耐性ワンヘルス動向調査報告書ではこれまで、薬剤耐性菌が問題となる菌種の薬剤感受性デー
タの経年的な動向を報告してきた。特に、non-typhoidal Salmonella spp.については、ヒト由来株と
食品由来株のデータを併記し、ヒト由来株と食品由来株での類似性等を報告してきた。しかし、ヒ
ト、食品、動物等の間で薬剤耐性菌がどれだけ伝播しているのかは、薬剤感受性データからは分から
ない。その観点から、厚生労働科学研究費補助金(食品の安全確保推進研究事業)の研究班で、表 74
に示す菌株のゲノム解析を実施している。具体的には、non-typhoidal Salmonella spp.に加えて
Campylobacter spp.および Enterococcus spp.を対象とし、ヒト由来の耐性菌株が、食品由来株およ
び動物由来株とゲノムレベルでどれだけ類似しているのか(その類似度が、食品、動物、ヒト間で耐
性菌が伝播したと考えられる事例は見つかるかどうか)を、ゲノムの塩基配列データの比較によって
探った。
表 74 ゲノム解析を実施した菌株
由来
分離年
Salmonella spp.
食品
2017-2022
563 (74-111)
地方衛生研究所
(non-typhoidal)
ヒト
2017-2022
623 (90-126)
地方衛生研究所
動物
2019-2022
427 (96-129)
動物医薬品検査所
食品
2024
57
国立医薬品食品衛生研究所
ヒト
2018, 2021-2023
261 (45-106)
東京都健康安全研究センター
動物
2018-2021
364 (18-146)
動物医薬品検査所
食品
2016-2019, 2021
38 (8-11)
群馬大学
ヒト
2020
34
国立感染症研究所
Campylobacter spp.
Enterococcus spp.
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株数
分類群
(年当たり最小-最大)
収集担当機関
non-typhoidal Salmonella spp.
2021~2024 年に国立感染症研究所が受け入れ、ゲノム解析を実施した non-typhoidal Salmonella
spp. 1,613 株についてコアゲノム(解析対象全株に共通して存在する遺伝子を、特定の参照株を用いず
に抽出して連結した塩基配列)の SNP(一塩基多型)に基づいて系統樹を作成し、その系統樹の右側
に、各株の血清型、由来(ヒト、食品、動物)及び由来別の検査材料の情報と、ゲノム解析から判明
した ESBL または AmpC 遺伝子(通常はプラスミド上に存在する)の種類と保有の有無、ホスホマイ
シン耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子、トリメトプリム耐性遺伝子、カナマイシン耐性遺伝
子、マクロライド耐性遺伝子の主要な種類と保有の有無を示した(図4)。本ゲノム解析に供した
non-typhoidal Salmonella spp.株は、2017~2022 年に地方衛生研究所において分離・保存され、薬剤
感受性試験を行った株(p.32, ii. non-typhoidal Salmonella spp. 参照。ヒト由来株は、感染性胃腸炎や
食中毒の患者検体から分離されたものであり、食品由来株は、国産及び輸入の鶏肉を主に含む複数の
食品から分離されたもので、食中毒菌汚染実態調査や自治体の収去検査のように食品をターゲットに
分離されたものや食中毒事例から分離されたもの等を含む)からランダムに提供されたもの、及び
2019~2022 年に動物由来薬剤耐性菌モニタリング(JVARM)で、薬剤感受性試験を行い、動物医薬品
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