【資料2】薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2024(たたき台) (120 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47987.html |
出典情報 | 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第12回 1/8)《厚生労働省》 |
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7. 日本における抗菌薬使用量の現状
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(1) ヒト用抗菌薬
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① 日本全体の抗菌薬使用状況
データ元:JSAC(抗菌薬使用サーベイランス)
2014 年から 2023 年までの日本における販売量に基づいた抗菌薬の使用状況を表 75(経口薬)、表
76(注射用薬)、表 77(経口および注射抗菌薬合計)に示す。日本における 2021 年の全体の抗菌薬
使用は 9.77 DID であり、2020 年の代表的な欧州諸国の DID と比較すると、フランス(21.5 DID)、
イタリア(17.5 DID)、スウェーデン(10.1 DID)よりも低く、オランダ(8.3 DID)、オーストリア
(8.8 DID)よりも高かった 1。経年的な変化をみると、2013 年から 2016 年までは抗菌薬使用に大き
な変化を認めなかったが、2017 年以降低下に転じたものの減少幅が小さくなってきていた。そうした
流れのなかで新型コロナウイルス感染症の流行があり、2020 年は全体の抗菌薬使用はそれまでの減少
幅に比べ大幅に抗菌薬使用が減少した。2021 年、2022 年は横ばい傾向であり、2020 年と比べ、2022
年は 3.9%減少していた。しかし 2023 年は全体で 11.96DID であり 2020 年と比べて 17.4%の増加であ
った。2023 年における抗菌薬全体に占める経口薬の使用(表 75)は 10.96 DID(91.6%)であり、そ
のうち、日本の AMR 対策アクションプランで 40%削減目標となっている経口第 3 世代セファロスポリ
ン系薬(1.94 DID)、30%削減目標となっている経口フルオロキノロン系薬(2.07 DID)、25%削減目
標となっている経口マクロライド系薬(3.45 DID)の合計は経口抗菌薬全体の 68.1%を占めていた。
2013 年以降この傾向は変化していないが、各使用量を 2020 年と比べると、2023 年の経口第 3 世代セ
ファロスポリン系薬、経口フルオロキノロン系薬、経口マクロライド系薬それぞれ 14.7%、25.%、
17.7%増加していた。また、注射カルバペネム系抗菌薬は、2020 年と比較して 2023 年は 6.7%減少し
ていた(表 76)。2019 年は特にセファゾリンの供給不足問題が生じた影響で、第1世代セファロスポ
リン系薬が減少し、狭域ペニシリン系薬や β ラクタマーゼ配合ペニシリン、第 2、3 世代セファロスポ
リン系薬、カルバペネム系薬が増加した可能性が考えられた 2。2020 年以降は全体として抗菌薬使用量
が減少していたが、これは抗菌薬適正使用が推進されただけでなく、新型コロナウイルス感染症も影
響(新型コロナウイルス感染症以外の感染症による受診患者の減少等)していると考えられ、同疾患
の流行が継続していることもあり 2022 年まで同様の傾向が続いて見られた。WHO が抗菌薬適正使用
の指標として推奨している AWaRe 分類により抗菌薬を分類した結果を表 78 に示す。AWaRe 分類は
WHO の必須医薬品リスト(Model Lists of Essential Medicines)第 20 版に掲載された抗菌薬分類を
適正使用の指標として応用したもので、抗菌薬を"Access”(一般的な感染症の第一選択薬、または第
二選択薬として用いられる耐性化の懸念の少ない抗菌薬で、すべての国が高品質かつ手頃な価格で、
広く利用出来るようにすべき抗菌薬。例. アンピシリン、セファレキシンなど)、”Watch”(耐性化が
懸念されるため、限られた疾患や適応にのみ使用すべき抗菌薬。例. バンコマイシン、メロペネム、レ
ボフロキサシン、セフトリアキソンなど)、”Reserve”(他の手段が使用できなくなった時に最後の手
段として使用すべき抗菌薬。例. チゲサイクリン、コリスチン、ダプトマイシンなど)、未分類の4カ
テゴリーに分類している。この分類は 2019 年に改訂され、新たに、”非推奨”(WHO で臨床上の使用
を推奨していない抗菌薬。例. セフォペラゾン・スルバクタム) のカテゴリーが追加された。WHO は
全抗菌薬に占める”Access”に分類される抗菌薬の占める割合を 60%以上にすることを目標としている。
日本は他国と比較して”Access”に分類される抗菌薬の占める割合が少ない傾向があるが 3、2014 年か
ら経年的にみると、11.8%から 2023 年は 22.94%へと徐々に上昇し、”Watch”に分類される抗菌薬の占
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