【資料2】薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2024(たたき台) (50 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47987.html |
出典情報 | 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第12回 1/8)《厚生労働省》 |
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⑨ 病院における感染診療・感染対策・疾病負荷に関する調査
データ元:J-SIPHE、AMRCRC
AMR 臨床リファレンスセンター(AMRCRC)では、地域連携の推進とともに病院での AMR 対策
に活用できるシステム J-SIPHE を運営している。2023 年の年報の対象施設は 2,534 施設(加算 1:
1,057 施設、加算 2:668 施設、加算 3:751 施設、加算なし:58 施設)であった。登録情報は、各
参加施設が任意に選択することができる。1,000 患者日あたりの血液培養提出数(n=1,520)は、中央
値 18.3(IQR:4.7-35.3)であり、15 歳以上の患者における複数セット率(20 件以上提出の施設を集
計 n=1,407)は、中央値 95.7%(IQR:90.6-97.8)、陽性率(20 件以上提出の施設を集計 n=1,407)
は、中央値 16.3%(IQR:13.1-21.6)であった。
2023 年における血液検体から検出された菌の 10,000 患者日あたりの発生数は、大腸菌の中央値
2.0(IQR:0.9-3.2)が最多で、黄色ブドウ球菌の 1.4(IQR:0.5-2.2)、肺炎桿菌の 0.7(IQR:0.21.3)と続き、昨年度に比して減少した。一方、黄色ブドウ球菌及び大腸菌の薬剤耐性菌発生率は下
降、肺炎桿菌の薬剤耐性菌の発生率は横ばいである。
手指衛生プラクティス状況では、手指衛生遵守率が全体(n=126)で 66.5%、内訳ではその他病棟
(n=68)がそれ以外の部門と比較して 69.1%と高かった。1,000 患者日あたりの手指消毒剤使用量
は、2019 年~2021 年は使用量と払い出し量が合わさった数値を示しているが、2022 年以降は傾向
が異なる払い出し量は別扱いとしたため、ここでは使用量のみの数値を示している。2023 年は全体
(n=1,055)で 10.4 L(IQR:6.4-15.5)、内訳ではクリティカルケア部門(n=382)が 42.1 L(IQR:
26.7-66.1)と一般病棟と比較して高かった。全体の手指消毒剤使用量の傾向として 2019 年~2022
年は上昇傾向にあったが、2023 年はやや下降傾向である。
また、厚生労働行政推進調査事業費にて、JANIS データを利用した研究を行い、血流感染症の患者
における推定死亡数を公開した。2022 年までの傾向では、MRSA による死亡数は減少から横ばいで
あった。フルオロキノロン耐性大腸菌による死亡数は、年々増加傾向にあったが近年は横ばいである。
肺炎桿菌、緑膿菌による死亡数も横ばいであったが、肺炎球菌による死亡数は 2020 年から 2022 年
まで、過去と比較して大きく減少していた。
死亡以外の要因(後遺症など)による損失も含めた疾病負荷の指標である DALYs を公開した。推
定に要したいくつかのパラメータは海外の先行研究等から借用したものである。
表 38
J-SIPHE 年報対象施設の基本情報
2019
2020
2021
2022
2023
参加施設数
581
778
818
1,876
2,534
(加算 1)
(449)
(539)
(547)
(868)
(1,057)
(加算 2)
(127)
(232)
(263)
(493)
(668)
(加算 3)
-
-
-
(487)
(751)
*
30
31
32
(加算なし)
(5)
(7)
(8)
(28)
(58)
病床数, median
340.5
308.1
301
214
199
(120.8-356.2)
(IQR)
(221.3-525.3)
(196.0-498.3)
(184-480)
(129.8-382.2)
平均在院日数, median
13.6
14.4
14.0
16.9
19.7
(IQR)
(11.7-17.1)
(12.0-19.0)
(11.8-19.7)
(12.3-34.7)
(12.7-43.1)
IQR(Interquartile range):四分位範囲
*
加算 3 は 2022 年 4 月に新設された。
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