【資料2】薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2024(たたき台) (56 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47987.html |
出典情報 | 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第12回 1/8)《厚生労働省》 |
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(2) 動物
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① 家畜由来細菌
データ元:動物由来薬剤耐性菌モニタリング(JVARM)
JVARM では、CLSI に準拠した微量液体希釈法による薬剤感受性試験を実施し、収集した各種菌株の
抗菌剤の MIC を測定している。なお、ブレイクポイント(BP)は、CLSI で規定されている薬剤につ
いてはその値を採用し、CLSI で規定されていない薬剤については、EUCAST で規定されている値
(ECOFF)又は微生物学的 BP(二峰性を示す MIC 分布の中間値)を採用した。これらの方法で BP を
設定できない薬剤については、耐性率を算出できないことから表中に掲載しないこととした。
病畜由来細菌
病畜由来細菌については、家畜保健衛生所において病性鑑定を実施した家畜から分離された菌を調
査対象 とし た 。 菌分 離部 位につ いて は、 Salmonella spp.で は主 に糞 便、 消 化管及 び肝 臓か ら、
Staphylococcus spp.では主に乳汁及び乳房から、Escherichia coli では主に糞便、消化管及び肺から分
離された。
ⅰ. Salmonella spp.
2011 年から 2018 年は 11 薬剤、2019 年以降はメロペネム(MEPM)を加えた 12 薬剤を対象として
調査を行った。2022 年に収集された牛及び豚由来株の耐性率については、テトラサイクリン(TC)に
対して 50%を超える耐性が認められた。一方ヒトの医療で重要な抗菌剤であるセフォタキシム(CTX)
及びシプロフロキサシン(CPFX)の豚由来株での耐性率は 5%未満であり、牛由来株では CTX 16.9%、
CPFX 8.4%であり、MEPM に対する耐性率は牛、豚及び鶏ともに 0.0%であった。なお 2016 年から、
セファゾリン(CEZ)、コリスチン(CL)及び CPFX は CLSI の変更後の低い BP に変更している点に
留意する必要がある。また、2011 年から 2022 年に病畜から分離されたサルモネラの血清型は、牛由
来株では S. Typhimurium 及びその単相変異型である S. 4:i:-が多く、豚由来株では、S. Typhimurium、
S. Choleraesuis 及び S. 4:i:-が、鶏由来株では、S. Schwarzengrund、S. Infantis 及び S. Enteritidis が
多かった。2022 年度に収集された株では、牛で S. Dublin の分離率が増加しており、その全てで CTX
及び CL 耐性であった。血清型別の耐性率については、豚由来の S. Choleraesuis ではアンピシリン
(ABPC)43.8%、TC62.8%と高い耐性が認められた。また牛及び豚由来の S. 4:i:-では ABPC 及び TC、
鶏由来の S. Infantis では TC、鶏由来の S. Schwarzengrund ではカナマイシン(KM)及び TC に対し
ていずれも 60%を超える耐性が認められた。一方、ヒトの医療で重要な抗菌剤である CTX 及び CPFX
に対する耐性率はいずれの血清型においても 10%未満であった。
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