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【資料2】薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2024(たたき台) (54 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47987.html
出典情報 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第12回 1/8)《厚生労働省》
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⑩ 療養病床および高齢者施設における感染症および抗菌薬使用に関する調査
データ元:AMRCRC
AMRCRC では、厚生労働科学研究費補助金、厚生労働行政推進調査事業費を用いて、高齢者施設に
おける医療関連感染症および抗菌薬使用に関する調査を行っている 9-11。
ⅰ. 医療療養病床
日本慢性期医療協会加盟より無作為に医療療養病床 1,175 施設を抽出し、Point Prevalence Survey
(PPS)を行った(2020 年 1 月調査)。回収は 80 施設(回収率 7.8%)であった。患者年齢の中央値
は、84.0 歳(78, 90)だった。男性患者の年齢の中央値は、82.0 歳(75, 87.8)、女性患者の年齢の中
央値は、87.0 歳(80.8, 92)だった。感染巣の上位は、「肺炎」199 人(39.5%)、「尿路感染症」135
人(26.8%)、「気管支炎」19 人(3.8%)であった。主に使用される抗菌薬は、注射用第 3 世代セフ
ァロスポリン系、β ラクタマーゼ阻害剤を含むペニシリン系配合剤、カルバペネム系であった。
ⅱ. 介護老人保健施設(老健)
全国老人保健施設協会の加盟施設から無作為に施設を抽出し、PPS を行った。第 1 回 PPS(2019 年
2 月調査、1,500 施設)の回収は 134 施設(回収率 8.9%)、第 2 回 PPS(2022 年 2 月調査、1,000 施
設)の回収は 100 施設(回収率 10.0%)であった。
第 1 回 PPS の抗菌薬使用率は 1.7%(抗菌薬使用者 172 人、入所者総数 10,148 人)だった。年齢中
央値は 86 歳(IQR:81-91)、男性中央値は 84 歳(IQR:75-89)、女性中央値は 87 歳(IQR:83-92)
であった。感染巣の上位は、「尿路感染症」70 人(46.1%)、「肺炎」29 人(19.1%)、「上気道炎」
11 人(7.2%)であった。尿路感染症で主に使用される抗菌薬はフルオロキノロン系、肺炎で主に使用
される抗菌薬は注射用第3世代セファロスポリン系であった。
第 2 回 PPS の抗菌薬使用率は 1.3%(抗菌薬使用者 110 人、入所者総数 8,291 人)だった。年齢中央
値は 89 歳(IQR:84-93)、男性中央値は 85 歳(IQR:80.5-89.5)、女性中央値は 89 歳(IQR:86.594.0)であった。感染巣の上位は、「尿路感染症」47 人(51.6%)、「肺炎」14 人(15.4%)、「蜂窩
織炎」7 人(7.7%)であった。尿路感染症で主に使用される抗菌薬はフルオロキノロン系、肺炎で主に
使用される抗菌薬は注射用第3世代セファロスポリン系であった。
ⅲ. 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
全国老人福祉施設協議会加盟より無作為に介護老人福祉施設 1,500 施設を抽出し、PPS を行った
(2020 年 3 月調査)。回収は 139 施設(回収率 9.3%)であった。年齢中央値は 90.0 歳(IQR:8593)、男性中央値は 80.5 歳(IQR:76-90)、女性中央値は 92.0 歳(IQR:87-93)であった。感染巣
の上位は、「尿路感染症」23 人(31.5%)、「肺炎」11 人(15.1%)、「上気道炎」9 人(12.3%)で
あった。尿路感染症で主に使用される抗菌薬はフルオロキノロン系、肺炎で主に使用される抗菌薬は
注射用第3世代セファロスポリン系であった。

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