【資料2】薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2024(たたき台) (48 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47987.html |
出典情報 | 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第12回 1/8)《厚生労働省》 |
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⑦ Clostridioides difficile 感染症
Clostridioides difficile infection(CDI)は、芽胞産生のグラム陽性嫌気性桿菌であり、健康成人の
10%程度の腸管に定着している 3。CDI は病院や老人介護施設等において下痢症を引き起こす主要な
医療関連感染症であることに加えて、最近では、市中でも感染症を引き起こすことが示唆されている
4
。
日本における既存の観察研究では、10,000 患者入院日数あたりの CDI 罹患率は 0.8~4.7、1,000 入
院あたりの有病率は 0.3~5.5 と示されていた 5。toxigenic culture および nucleic acid amplification
test(NAAT)を用いて行った多施設前向き研究(12 施設 20 病棟)では、10,000 患者入院日数あた
りの CDI 罹患率は 7.4、ICU 病棟では 22.2 と、既存報告より罹患率が高く、ICU 病棟では特にリスク
が高いことが示唆された 6。病院間や諸外国などとの罹患率の比較には、検体採取病棟、検査方法、
再燃の定義、平均入院日数の違い、などの影響を考慮する必要がある。
AMR 臨床リファレンスセンター(AMRCRC)では、2019 年より、J-SIPHE の運営を行い、年報を
作成し CDI の動向調査を開始している。10,000 患者日あたりの CDI 発生数(表のnは施設数、施設
毎の発生件数(発生数/在院患者延べ数 x 10,000)の分布を表示)は、2019 年、276 施設で 1.38
(IQR:0.56-2.43)、2020 年、347 施設で、1.20(IQR:0.45-2.13)、2021 年、470 施設で 0.96
(IQR:0.32-1.97)、2022 年、1,241 施設で 0.82(IQR:0.14-1.66)、2023 年、1,796 施設で 0.72
(IQR:0.00-1.64)と減少傾向にあった。参加施設の増加に伴った集団特性の変化の影響を考慮する
必要がある。
表 35
病院における Clostridioides difficile 発生状況の分布(10,000 患者日あたりの発生数)
C. difficile (IQR)
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2019
2020
2021
2022
2023
(n=276)*
(n=347)**
(n=470)**
(n=1,241)**
(n=1,796)**
1.38
1.20
0.96
0.82
0.72
(0.56-2.43)
(0.45-2.13)
(0.32-1.97)
(0.14-1.66)
(0.00-1.64)
表のnは施設数、施設毎の発生件数(発生数/在院患者延べ数 x 10,000)の分布を表示
*2019 年:イムノクロマト法を用いたトキシン検査 253 施設、NAAT を用いた検査3施設、その他 20 施設
**2020 年:イムノクロマト法でトキシンのみを確認・陽性時に CDI と判定/陰性時に検査終了 2020 年 81 施設、2021 年 65
施設、2022 年 194 施設、2023 年 246 施設。イムノクロマト法でトキシンのみを確認・陽性時に CDI と判定/陰性時は培養
コロニーを用いたイムノクロマト法でトキシンを判定し、いずれも陰性の場合は検査終了 2020 年 8 施設、2021 年 2 施設、
2022 年 5 施設、2023 年 6 施設。イムノクロマト法で GDH とトキシンの両方を確認し GDH 陽性・トキシン陽性の場合に
CDI と判定/GDH 陽性・トキシン陰性の場合は CDI と判定せず検査終了 2020 年 115 施設、2021 年 203 施設、2022 年 500
施設、2023 年 793 施設。イムノクロマト法で GDH とトキシンの両方を確認し GDH 陽性・トキシン陽性の場合に CDI と判定
/GDH 陽性・トキシン陰性の場合は培養コロニーを用いてトキシンを判定し、いずれも陰性の場合は検査終了 2020 年 104 施
設、2021 年 110 施設、2022 年 226 施設、2023 年 262 施設。イムノクロマト法で GDH とトキシンの両方を確認し GDH 陽
性・トキシン陽性の場合に CDI と判定/GDH 陽性・トキシン陰性の場合は糞便中の毒素遺伝子検査でトキシンを判定し、陰
性の場合は検査終了 2020 年 36 施設、2021 年 59 施設、2022 年 177 施設、2023 年 288 施設。糞便の毒素遺伝子検査のみで
トキシンを確認し陽性時に CDI と判定/陰性時は検査終了 2020 年 3 施設、2021 年 1 施設、2022 年 29 施設、2023 年 41 施
設。その他(上記以外)、2020 年 38 施設、2021 年 45 施設、2022 年 136 施設、2023 年 175 施設。
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