【資料2】薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2024(たたき台) (83 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47987.html |
出典情報 | 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第12回 1/8)《厚生労働省》 |
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ⅳ. Enterococcus spp.
Enterococcus spp.では犬猫ともに E. faecalis が最も多く、次いで E. faecium が多く収集された。
2023 年は犬及び猫由来株では TC の耐性率が最も高く(犬 59.2%、猫 73.2%)、次いで EM(犬 43.4%、
猫 38.0%)であり、犬由来株の ABPC 並びに犬及び猫由来株の CP に対する耐性率は 20%未満であっ
た。ヒトの医療で重要な抗菌剤 CPFX については、犬及び猫由来株で 28.5%及び 43.8%の耐性が認めら
れた。2019 年から供試薬剤としている VCM の測定については、犬及び猫由来株ともに耐性株は 0.0%
であった。
表 67
疾病にり患した犬及び猫由来の Enterococcus spp.の耐性率の推移(%)
BP
動物種
2017 年
2018 年
2019 年
2020 年
2021 年
2022 年
2023 年
ABPC
薬剤*
16†
犬
26.7
20.5
20.0
14.6
13.3
14.8
16.2
猫
17.3
31.6
33.0
26.4
24.1
24.5
30.4
GM
32
犬
22.9
15.4
25.2
25.7
27.8
33.0
18.5
猫
19.4
24.6
25.2
25.7
27.1
20.9
33.0
TC
16†
犬
65.6
67.9
68.9
64.9
63.9
65.9
59.2
猫
70.4
73.7
64.1
68.2
65.9
66.9
73.2
犬
20.6
14.1
18.5
14.6
13.3
14.8
14.6
猫
20.4
15.8
8.7
18.2
15.3
12.3
17.0
犬
61.8
39.7
43.0
45.0
46.1
43.4
37.7
猫
41.8
54.4
39.8
48.0
45.9
38.0
50.0
犬
42.7
28.2
31.1
25.1
27.8
34.1
28.5
猫
34.7
49.1
43.7
40.5
40.6
40.5
43.8
犬
-
-
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
猫
-
-
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
犬
131
78
135
171
180
182
130
猫
98
57
103
148
170
163
112
CP
32†
EM
CPFX
VCM
8†
4†
32†
検査株数(n)
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
BP の単位は µg/mL。
*
AZM についても調査対象としているが、BP が設定できないため、耐性率は掲載していない。
†
CLSI に規定された BP。
健康な犬及び猫由来細菌
健康な犬猫からの菌株の収集にあたっては、都道府県別の動物診療施設(小動物・その他)の開設
届出数に基づいて菌株数を割り当て、公益社団法人日本獣医師会の協力を得て、全国の動物病院から
収集した。動物病院に健康診断やワクチン接種のために訪れた健康な犬及び猫から直腸スワブ検体を
採取し、大腸菌及び Enterococcus spp.を分離、同定し、薬剤感受性試験に供した。
ⅰ. Escherichia coli
2023 年の健康な犬及び猫由来株では、これまでの調査と同様に、調査薬剤のうち ABPC 及び NA に
対する耐性率が他の薬剤に対する耐性率に比べて高い傾向を示し、その他の薬剤(表 68 参照)に対
する耐性率はいずれも 20%未満であった。ヒトの医療で重要な抗菌剤については、犬及び猫由来株で、
CTX に対しては 11.2%及び 3.7%、CPFX に対しては 5.6%及び 7.5%、CL および MEPM に対する耐
性率はいずれも 0.0%であった。耐性株が存在した各薬剤について同年に収集された疾病にり患した
犬猫由来の大腸菌の耐性率と比較すると全ての薬剤で健康な犬猫由来株の方が低い耐性率を示した。
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