【資料2】薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2024(たたき台) (177 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47987.html |
出典情報 | 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第12回 1/8)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
2
(8) ヒト及び食品由来の Non-typhoidal Salmonella spp.の薬剤耐性状
況の調査
3
4
5
6
7
8
9
① 概要
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
② 調査方法
28
29
30
31
32
33
③ 今後の展望
食品由来耐性菌については、これまでに多くの地方衛生研究所が食品由来細菌の耐性状況を調査し
てきた実績があり、現在、厚生労働科学研究費補助金による食品の安全確保推進研究事業の中で、組
織化された複数の地方衛生研究所が食品由来耐性菌モニタリングを研究として実施している 8。統一
された方法で全国規模の食品由来細菌の耐性状況が調査されたのは、本邦で初めてと思われる。さら
に、得られたデータは、WHO によって構築された GLASS にも報告されている。
全国 21 地方衛生研究所の協力を得て、これらの地方衛生研究所において収集されているヒト(患
者)由来及び食品由来細菌、特にサルモネラ属菌について、共通のプロトコル、薬剤、器材等を用い
て薬剤耐性状況調査が実施された 8。2015 年から 2021 年に、ヒト(患者)及び食品から分離された
サルモネラ属菌株を対象とした。ヒト由来株は、感染性胃腸炎や食中毒の患者検体から分離されたも
のを対象とし、食品由来株は、分離した食品の種類、分離年月日を求め、食品が鶏肉の場合は、国産、
輸入(国名)、不明の情報を収集した。協力 21 地方衛生研究所でサルモネラ属菌と判定された菌株
を用い、「地衛研グループ薬剤感受性検査プロトコル」にしたがって、CLSI ディスク拡散法による
薬剤感受性検査を実施した。感受性ディスクとしては、アンピシリン(ABPC)、ゲンタマイシン
(GM)、カナマイシン(KM)、ストレプトマイシン(SM)、テトラサイクリン(TC)、ST 合剤
(ST)、クロラムフェニコール(CP)、セフォタキシム(CTX)、セフタジジム(CAZ)、セフォ
キ シ チ ン ( CFX ) 、 ホ ス ホ マ イ シ ン ( FOM ) 、 ナ リ ジ ク ス 酸 ( NA ) 、 シ プ ロ フ ロ キ サ シ ン
(CPFX)、ノルフロキサシン(NFLX)、アミカシン(AMK)、イミぺネム(IPM)、メロぺネム
(MEPM)の 17 剤ディスクを用いた。検査に用いる感受性ディスク等の試薬、ディスクディスペン
サーやノギス等の器具は全ての地方衛生研究所で共通のものを用いた。寒天平板上の感受性ディスク
の配置は、阻止円が融合しないよう、プロトコルに示す配置図のように配置した。結果の判定は、阻
止円直径を測定し、プロトコルの感受性判定表にしたがって行われた。
ヒト由来株と食品由来株の各種抗菌薬に対する耐性率に明瞭な類似が認められている。これらのデ
ータは、環境―動物―食品―ヒトを包括するワンヘルス・アプローチにおいて重要であり、相互変換
ソフトにより JANIS 及び JVARM のデータと統合し、三者を一元的に評価できるシステムが確立して
いる。
172