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ⅲ. Neisseria gonorrhoeae
データ元：国立感染症研究所
2015 年～2023 年に分離された淋菌（それぞれ 618 株、675 株、982 株、1,167 株、1,023 株、825
株、698 株、950 株、1134 株）の薬剤感受性試験（EUCAST の判定基準に基づく；表 30 参照）の結
果、セフトリアキソン（CTRX）耐性率は 2015 年以降、6.2%、4.3%、4.3%、3.5%、5.4%、2.7%、
0.7%、1.9%、1.8%であった。CLSI の基準でも耐性を判定される MIC 0.5 µg/mL 以上の株については
2015 年以降 0.6%、0.4%、0.5%、0.3%、0.4%、0%、0%、0.1％、0.1％であった。スペクチノマイシ
ン（SPCM）耐性株は存在しなかった。一方で、アジスロマイシン（AZM）耐性率は 2015 年では
13.0%であったものが、2016 年以降 2020 年までは 33%～43.9%の間で推移し、2021 年、2022 年、
2023 年では 11.6%、18.4%、34.0%であった。
CLSI では耐性基準が設定されていないが、23S rRNA 遺伝子変異株の AZM MIC の分布から 2
µg/mL 以上を示す株を非野生型と称している。参考値ながらも耐性率を調べたところ（参考資料
（８）参照）、2015～2023 年ではそれぞれ 3.2%、4.0%、4.0%、6.3%、7.5%、7.0%、6.7%、9.8%、
13.1%の株が２µg/mL 以上を示し、増加傾向を示した。また、国内の臨床評価からは AZM MIC１
µg/mL 以上を示す株は耐性とすることが妥当と考えられることから、その基準（R：≧１µg/mL）を
採用した場合の耐性率は、2015～2023 年ではそれぞれ、11.0%、9.3%、11.2%、15.9%、14.9%、
14.3%、11.5%、18.2%、34.0%が耐性と評価された。他の 3 剤に関しては、セフィキシム（CFIX）耐
性株が約 20～40%、CPFX 耐性株が約 60～80%を占めていた。ベンジルペニシリン（PCG）に対し
ては 80%以上が治療効果を望めない株であった。
表 30

2015 年

2016 年

（618 株）

（675 株）

2017 年

2018 年

2019 年

2020 年

（982 株） （1167 株） （1023 株） （825 株）

2021 年

2022 年

2023 年

（698 株）

（950 株）

（1,134 株）

38.4

36.3

37.8

31.7

35.8

37.1

23.5

22.3

39.8

（96.6）

（96.9）

（99.0）

（82.5）

（88.5）

（98.9）

（92.7）

（98.7）

(99.4)

CFIX

36.2

43.2

31.0

28.4

33.4

33.1

21.9

25.9

22.2

CTRX

6.2

4.3

4.3

3.5

5.4

2.7

0.7

1.9

1.8

SPCM

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

0.0

AZM

13.0

33.5

42.6

43.9

40.1

40.2

11.6

18.4

34.0

CPFX

79.5

78.0

75.8

66.9

64.6

71.2

75.6

83.4

80.4

PCG*

22
23
24
25
26
27

Neisseria gonorrhoeae の耐性率（%）

感受性・耐性判定は、EUCAST（参考資料８）の基準を用いた。
*括弧内の数字は、耐性と中間耐性の率の和。
EUCAST による耐性判定基準は、次の通り。CTRX（＞0.125 µg/ｍL）、SPCM（＞64 µg/ｍL）、AZM（＞0.5 µg/ｍL）、
PCG（＞1 µg/ｍL）、CFIX（＞0.125 µg/ｍL）、CPFX（＞0.06 µg/ｍL）

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