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【資料2】薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2024(たたき台) (146 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47987.html
出典情報 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第12回 1/8)《厚生労働省》
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伊藤らは IQVIA Claims を用いて、耳鼻咽喉科外来で気道感染症と保険上診断を受けた小児患者に
おいて同時に記録された他疾患、抗菌薬処方、感染症検査状況について調査を行った 19。その結果気
道感染症のみの病名は 6.5%のみであり、アレルギー性鼻炎、急性気管支炎、急性副鼻腔炎、耳垢塞
栓の傷病名同時につけられることが多いことが明らかとなった。また第 3 世代セファロスポリン、マ
クロライド、広域スペクトルペニシリン系が処方頻度が高く検査の実施率は 2.9~21.7 %と低かった。
セプトデータベースを用いて急性 URI を評価する場合には、患者選択に注意する必要がある。また、
診断に必要な検査の実施率は低く、外来で検査を実施できる環境の整備の必要性を示した。
村松らは JMDC を用いて、小児尿路感染症の治療における経口抗菌薬の処方パターンと有効性の調
査を行った 20。2016~2020 年までに経口抗菌薬を投与された 6 歳未満の尿路感染症患者を対象とし
た。その結果、対象の 67.0%に第三世代セファロスポリン、8.4%にアモキシシリン、1.5%に ST 合
剤、1.2%にアモキシシリン/クラブラン酸が処方されていた。治療失敗は 2.9%でセフカペンピボキ
シルよりアモキシシリンで多く観察された[OR 2.18(95%CI:1.04-4.58)]。
佐藤らは JMDC を用いて、歯科における埋伏下顎第三大臼歯の抜歯時の予防抗菌薬の処方パターン
と術後感染部位の発生率を調査した 21。第一選択薬であるアモキシシリンと日本で広く使用される第
三世代セファロスポリンについて検討した結果、前者は 36.2%、後者は 67.8%に処方であった。背
景調整後の手術部位感染の発生率アモキシシリン群で 3.5%、第三世代セファロスポリン群で 3.7%で
あった (p=0.003) 。これらのことから歯科領域においても適正使用の普及に必要性を示した。
3. 抗菌薬適正使用に関する新たなデータ収集解析手法の取り組み
NDB 情報を用いた気道感染症に対する抗菌薬使用割合を集計する仕組みを作成している。特定の
レセプト傷病名に対する抗菌薬の処方割合の検討を行っている。地域別、年代別、抗菌薬種類別とい
った観点でのモニタリングを予定しており、システム開発を進めている。
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