【資料2】薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2024(たたき台) (76 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47987.html |
出典情報 | 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第12回 1/8)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
2
3
4
5
6
7
8
9
10
ⅱ. 病魚(ぶり類)由来類結節症病因菌 Photobacterium damselae subsp. piscicida
2011~ 2016 年に類結節症に対する水産用医薬品として承認されている 5 薬剤の調査を行った。供試
株数が少なく、特に 2015 年は供試菌株が3株であり、2016 年は供試菌株が分離されなかった。2011
年から 2014 年の供試菌株については、ABPC 及びオキソリン酸(OA)では各年度で耐性率の上下動が
認められたものの、ビコザマイシン(BCM)及びホスホマイシン(FOM)に対しては、いずれも 7.1%
以下の耐性率が維持されていた。また、FF に対しては、二峰性の MIC 分布を示さず、耐性率を求める
ことが出来なかったが、全ての株で低い MIC(MIC≦1 µg/mL)が認められたため、感受性は維持され
ていると考えられた。2015 年の供試菌株は、いずれの薬剤に対しても低い MIC を示した(表 61)。
類結節症原因菌 Photobacterium damselae subsp. piscicida の耐性率の推移(%)
表 61
薬剤*
BP
2011 年
2012 年
2013 年
2014 年
ABPC
2
11.8
17.6
7.1
59.4
FOM
32
0.0
0.0
7.1
0.0
BCM
64
0.0
0.0
0.0
0.0
OA
1
100.0
82.4
92.9
3.1
17
17
14
32
検査株数(n)
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
BP の単位は µg/mL。
*FF についても調査対象としているが、BP が設定できないため、耐性率は掲載していない。
2015 年の供試菌株は 3 株であったため、表中に示していない。
2016 年は供試菌株が分離されなかった。
ⅲ. ビブリオ病原因菌 Vibrio spp.
2017 年から病魚由来株についてビブリオ病に対する水産用医薬品として承認されている 4 薬剤の調
査を行っている。2022 年は、OTC に対する耐性率は 7.4%だった。FF では、MIC 分布が二峰性を示さ
ず、全ての菌株で低い MIC(≦4 µg/mL)であり、OA では、MIC 分布が二峰性を示さず、全ての菌株
で低い MIC(≦0.5 µg/mL)を示したことから、感受性が維持されていると考えられた。一方、スルフ
ァモノメトキシン(SMMX)については、MIC 分布において明確な二峰性を示さず、耐性率を求める
ことができなかった(表 62)。
表 62
ビブリオ病原因菌 Vibrio spp.の耐性率の推移(%)
薬剤*
OTC
BP
BP
(~2019)
(2020~)
8
16
検査株数(n)
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
2017 年
2018 年
2019 年
2020 年
2021 年
2022 年
12.8
15.7
0.0
11.9
4.2
7.4
39
51
40
42
71
79
BP の単位は µg/mL。
*FF、OA、SMMX についても調査対象としているが、BP が設定できないため、耐性率は掲載していない。
iv. 水産養殖環境由来腸炎ビブリオ Vibrio parahaemolyticus
2011~2012 年の水産養殖環境由来株(それぞれ 53 株及び 50 株)について、水産用医薬品として承
認されている 5 薬剤(EM、LCM、OTC、OA 及び FF)の対象に調査を行った。
全ての薬剤で二峰性の MIC 分布を示さず、耐性率を求めることが出来なかったものの、リンコマイ
シン(LCM MIC: 32-256 µg/mL)以外は、全ての株で低い MIC が認められたため(EM MIC: ≦2
µg/mL、OTC 及び FF MIC: ≦1 µg/mL、OA MIC: ≦0.5 µg/mL)これらの薬剤に対しては感受性と考
えられた。
71