【資料2】薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2024(たたき台) (158 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47987.html |
出典情報 | 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第12回 1/8)《厚生労働省》 |
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(4) 獣医学生への調査
農林水産省は全国の獣医学生を対象に 2019 年度から薬剤耐性対策に関する講義と意識調査を実施
している。意識調査について、2020 年度以前の意識調査は講義後に実施していたが、2021 年度以降
は講義の成果を確認するため、講義前も実施している。2022 年度の調査はインターネットを通じた
アンケート調査の形で実施した。2023 年度の調査では、14 大学 530 名(2、3 年生:327 名、4 年
生:97 名、5 年生:106 名)の学生から回答があった。
講義前に実施した意識調査のうち、抗菌剤に関する質問(表 104)において、「細菌感染症に効く」
と答えた学生が 93.6%と、正しい知識をもつ学生数は横ばいであり、獣医学教育の中で抗菌剤に関す
る一定の知識を習得し、定着していることが推察された。しかしながら、抗菌剤は「風邪に効く」や
「ウイルスに効く」を選択した学生がそれぞれ、33.6%及び 93.6%と一定数いたことから、引き続き
正しい知識の普及に努めていく必要がある。
同じく講義前に実施した意識調査の質問「動物分野の薬剤耐性対策について知っていること」(表
105)のうち、「第二次選択薬と呼ばれる抗菌剤があること」を知っている学生は全体の 54.5%と昨
年までより増加した。一方で、「家畜分野における薬剤耐性モニタリング(JVARM)が行われているこ
と」や「動物分野と医療分野の連携」を選んだ学生の割合は高かったものの、全体の半数以下であり、
昨年と比較するとわずかに減少した。また、現場で薬剤耐性対策を実践する上で重要な知識である、
ワクチン接種による「感染機会の低減が薬剤耐性対策に繋がること」や「第二次選択薬」を知ってい
る学生は全体の 3 割程度に留まっていた。特に「感染機会の低減が薬剤耐性対策に繋がること」を知
っている学生の割合はわずかに増加したもののこの 4 年間で傾向は変わらなかった。
動物分野での薬剤耐性対策において獣医師は重要な役割を担うことから、獣医学生への抗菌剤の正
しい知識及び慎重使用に関する教育を引き続き継続していくことが重要である。
表 104
抗菌剤に関するイメージを選んでください(%)
2、3年生
4年生
5年生
(n=327)
(n=97)
(n=106)
(n=394)
風邪に効く
32.1
40.2
32.1
26.6
細菌感染症に効く
16.2
24.7
14.2
4.6
ウイルスに効く*
93.6
93.8
93.4
52.3
64.9
36.7
16.5
手術後の合併症予防に効
く
エサに混ぜる飼料添加物
として使われる
野菜などに使う農薬に使
われる
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25
26
27
2020年全体 2021年全体 2022年全体 2023年全体
(n=404)
(n=530)
(n=530)
32.2
32.5
33.6
10.4
22.8
17.4
92.9
91
93.6
93.6
62.3
58.6
64.9
48.5
56.6
44.3
30.2
53.8
41.6
36.4
36.8
15.5
5.7
8.4
13.6
16.4
14.2
*2021 年度までは「インフルエンザに効く」としていた。
**2020 年度の意識調査は、講義後のみ実施したため数値にバイアスがかかっている可能性がある(2021 及び 2022 年度は講
義前に実施した調査結果)。
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