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【資料2】薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2024(たたき台) (145 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47987.html
出典情報 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第12回 1/8)《厚生労働省》
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[小児抗菌薬適正使用加算導入の影響に関する研究]

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対する不必要な抗菌薬処方を減らすための更なる取り組みの必要性を示した。

神代らは JMDC 社のデータベースを用いて、2013 年 4 月から 2020 年 2 月の情報から 2018 年 4 月
に導入された呼吸器感染症、下痢症に対して抗菌薬を処方しなかった場合にインセンティブがつく加
算(0~2 歳)と医療提供者の教育(6 歳以上)の影響について中断時系列分析を用いて効果を評価し
た 13。その結果、加算導入後に抗菌薬処方が大幅に減少したのは 0-2 歳(毎月 1,000 回の診療所あ
たり -47.5 処方 [77.3 ~ -17.6])であった。医療提供者に対する教育は全年齢で抗菌薬処方を減少さ
せていた。これらは導入後即時に効果が見られたものの、長期間の効果は見られなかった。
大久保らは NDB を用いて同様の加算の効果を差分の差分法を用いて評価を行い 14、抗菌薬処方の
減少を示した(DID 推定、1,000 症例あたり -228.6 DOT [95%信頼区間

-272.4 ~ -184.9])。

また、呼吸器症状の治療薬 (DID 推定、1,000 症例あたり -256.9 DOT [-379.3 ~ -134.5]) 、抗
ヒスタミン薬 (DID 推定、1,000 症例あたり -198.5 DOT [-282.1 ~ -114.9])であり、時間外診療の
増加も見られなかった [DID 推定、1,000 件あたり -4.43 件 [-12.8 ~ 3.97]。また入院増加は見られな
かった[DID 推定値、1,000 例あたり-0.08 件 [-0.48~0.31] 。医療に悪影響を与えることなく、不
要な抗菌薬処方の削減につながったとことを示した。
[処方状況に関する研究]
佐藤らは JMDC を用いて、2015 年 9 月から 2018 年 8 月の期間で 18 歳以上を対象として、抜歯後
の予防抗菌薬の処方状況を分析し、AMR 対策アクションプランの影響を調査した 15。その結果、
662,435 人の該当患者のうち、予防抗菌薬の処方があった患者は全体で 83%、術後感染症のリスクが
低いと定義した患者の 82%であった。研究期間内でこの割合に変化は見られなかったものの、処方
内訳は第3世代セファロスポリンが 58%から 34%(病院)、57%から 56%(診療所)へ減少が見ら
れた。またアモキシシリンは 16%から 37%(病院)、6%から 10%(診療所)へ増加していた。
また荒木らは、JMDC を用いて 2005 年 1 月から 2016 年 2 月の期間で 5 年以上健康診断を受け、2
回以上感冒と診断された労働年齢人口 18,659 人を対象として調査を行った 16。その結果、49.2%
(9,180 人)に抗菌薬が処方されており、その要因として慢性疾患がないこと、男性患者、診療所も
しくは 20 床以下の病院ということが明らかとなった。また 40~45%がセファロスポリンの処方を受
けていた。解釈においては、労働年齢人口が対象であることに留意が必要である。
不適切処方の状況が明らかとなり、中でもセファロスポリン系の使用が多く、ASP を進める必要性
を示す結果であった。
井出らは JMDC を用いて、2013 年から 2018 年の経口マクロライド系抗菌薬の処方状況を調査し
た。マクロライドは経口抗菌薬の 30%を占め、このうち 60%をクラリスロマイシンが占めていた。
多くが風邪に対する処方であり、アレルギー疾患や皮膚疾患といった慢性疾患も一部含まれていた。
風邪に対するマクロライドの使用の見直しと、皮膚やアレルギー疾患に対する長期使用の適切な評価
の必要性を示唆している 17。
2.抗菌薬適正使用に関する新たな研究報告
北野らは NDB を用いて抗菌薬使用量の地域差の要因について調査を行った 18。都道府県別の気道
感染症診療所数や小児人口、診療所数、施設規模、感染症専門医数等と多変量分析を行った。その結
果、特に気道感染症の受診件数が調整 RR1.21 と影響していることが明らかとなった。気道感染症に

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