1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13

ⅲ. コアグラーゼ陽性 Staphylococcus spp.
コアグラーゼ陽性 Staphylococcus spp.は、犬猫共に S. pseudintermedius が最も多く、その他に S.

aureus が収集された。
S. pseudintermedius については、2017 年の調査開始以降、犬及び猫由来株は GM 及び CP を除くす
べての薬剤に対して 50%を超える耐性を示し、2023 年は、犬及び猫由来株の GM の耐性率を除き、
50%を超える耐性率を示した。ヒトの医療で重要な抗菌剤である AZM 及び CPFX については、犬及び
猫由来株とも 70%以上の耐性が認められた。
猫由来 S. aureus については、2022 年においてベンジルペニシリン（PCG）、AZM 及び CPFX に対
して 50%を超える耐性が認められた。一方で、SM に対する耐性率は 6.5％と低く、CP に対しては
0.0%であった。ヒトの医療で重要な抗菌剤 AZM 及び CPFX については 40%以上の耐性率が認められ
た。
表 65
薬剤*

疾病にり患した犬及び猫由来の Staphylococcus pseudintermedius の耐性率の推移（％）
BP

PCG

0.25†

MPIPC

0.5†

GM

16†

TC

16†

CP

32†

EM

8†

AZM
CPFX

8†
4†

検査株数（n）

14
15
16

動物種

2017 年

2018 年

2019 年

2020 年

2021 年

2022 年

2023 年

犬

-

-

97.4

95.9

97.4

98.9

92.6

猫

-

-

97.6

98.0

98.4

95.7

96.3

犬

58.2

56.6

62.8

51.4

56.6

60.2

50.6

猫

68.6

81.8

81.0

77.6

78.7

76.1

81.5

犬

26.2

54.2

64.1

25.7

40.8

44.3

45.7

猫

13.7

63.6

52.4

44.9

50.8

63.0

48.1

犬

62.3

67.5

66.7

73.0

71.1

65.9

84.0

猫

52.9

81.8

85.7

71.4

85.2

73.9

66.7

犬

43.4

49.4

60.3

58.1

55.3

59.1

65.4

猫

64.7

72.7

83.3

67.3

82.0

65.2

66.7

犬

67.2

74.7

79.5

77.0

71.1

77.3

82.7

猫

70.6

86.4

95.2

79.6

91.8

89.1

88.9

犬

67.2

74.7

79.5

77.0

71.1

77.3

81.5

猫

66.7

86.4

95.2

79.6

91.8

91.3

88.9

犬

64.8

75.9

75.6

74.3

73.7

79.5

77.8

猫

88.2

100.0

97.6

93.9

91.8

97.8

100.0

犬

122

83

78

74

76

88

81

猫

51

22

42

49

61

46

27

BP の単位は µg/mL。
†

CLSI に規定された BP。ABPC、CEZ、CEX、CFX、CMZ、CTX 及び SM についても調査対象としているが、BP が設定できな
いため、耐性率は掲載していない。

76