【資料2】薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2024(たたき台) (92 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47987.html |
出典情報 | 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会(第12回 1/8)《厚生労働省》 |
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で52.1%、CTX 耐性は国産肉由来株では1.5%に対し輸入肉由来では14.6%と国産肉由来株で低い傾向
を示した。この様な耐性の差が生じる原因は明らかではない。例年GM は輸入肉由来株の方が高い耐性
率を示している。2023 年も輸入鶏肉由来株が20.8%、国産由来株は3.2%で、輸入鶏肉由来の方が高か
った。国産鶏肉のCTX 耐性率は、2012 年には10.4%であったが、2019 年以降は1.0~2.4%で推移して
いる。一方、輸入鶏肉では2015 年は27.0%の耐性率であったが2018 年は2.8%と減少が認められ、そ
の後3.5%(2020 年)から6.6%(2021 年)と耐性率は低下していたが、2023 年は14.6%と耐性率は
上昇した。一方輸入肉由来株では2018 年以降2.8~6.6%で推移していたが、2022 年は12.2%、2023
年は14.6%と上昇していた。近年の上昇傾向の理由は不明である。鶏肉由来株のFOM 耐性率は12.5%
で、例年より高い傾向であった。国産由来株のKM 耐性率は2018 年以降、27.8~37.0%の間で推移し
ており、横ばい傾向が続いている。輸入鶏肉では27.0%(2015 年)から1.6%(2021 年)と減少して
いたが、2023 年は16.7%に上昇した。プラスミド性コリスチン耐性遺伝子保有状況については国産由
来株のうち3株(1.2%)からプラスミド性コリスチン耐性遺伝子(mcr-1)が検出された。鶏肉の内訳
はささみ、皮、もも+胸肉であった。
健康者糞便由来大腸菌の薬剤耐性菌出現状況:2023 年に健康者の糞便から分離された 304 株を対象
に 18 薬剤を用いた薬剤感受性試験を行ったところ、いずれか 1 薬剤以上に耐性を示した株は 134 株
(44.1%)であった。薬剤別に耐性率をみると、最も耐性率が高かったのは ABPC で 29.3%、次いで
NA 22.4%、TC 19.1%、ST 合剤および SM が各 14.5%あった。CPFX 耐性および NFLX 耐性は各 9.2%、
セフェム系薬剤に対する耐性率は、CTX 5.6%、CAZ 1.0%で CFX 耐性株は認められなかった。AMK、
IPM および MEPM に耐性を示した株は認められなかった。2023 年分離株は 2022 年分離株と比較して
ほぼ同様の耐性率であった。第 3 世代セファロスポリン系薬剤に耐性を示した 17 株(5.6%)を対象に
AmpC/ESBL 鑑別ディスクおよび遺伝子型別試験を行った。その結果、17 株全て ESBL 産生株であっ
た。ESBL 産生株の遺伝子型は CTX-M-9 グループが最も多く 8 株、次いで CTX-M-1 グループが 7 株、
CTX-M-8 グループが 1 株、SHV+TEM 型が 1 株であった。薬剤感受性試験に供試した 304 株について
mcr-1 ~mcr-5 の保有状況を調べた結果、mcr-1 保有株が 1 株認められた。
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