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【資料２】薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書2024（たたき台） (91 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47987.html |
| 出典情報 | 薬剤耐性ワンヘルス動向調査検討会（第12回 1／8）《厚生労働省》 |
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(３) 食品
食品由来耐性菌の状況については研究事業の結果に基づいている（令和 5 年度厚生労働科学研究費補
助金 食品の安全確保推進研究事業・総括研究報告書「ワンヘルスに基づく食品由来薬剤耐性菌のサー
ベイランス体制強化のための研究」（研究代表者 菅井基行）。各地方衛生研究所（地研、任意参加し
ている 22 の地研）が当該地の市販肉を購入後、これまでに確立したプロトコルにしたがって、食肉を
汚染しているサルモネラ、カンピロバクター、大腸菌等を対象に選択培地を用いて培養・分離した。
その分離菌株の 17 種の薬剤について薬剤感受性検査を CLSI ディスク拡散法により実施した。
サルモネラの薬剤耐性菌出現状況：サルモネラについては、④ ii, Non-typhoidal Salmonella,（地方
衛生研究所）の項にまとめられている（p.32～p.38 参照）。概要としては、血清型 S. Infantis、 S.
Schwarzengrund、及び S. Manhattan においては、食品由来分離株はヒト患者糞便由来分離株の薬剤
耐性分離率や耐性パターンと高い類似性があり、食品由来耐性菌とヒト由来耐性菌との間には強い関
連性があることが示唆された。2023 年に収集されたサルモネラは食品由来 186 株でその 80％は国産鶏
肉由来で、1 剤以上に耐性を示した菌株の割合（耐性率）は 89.2％でヒト由来株 43.8％よりも高くなっ
ていた。ヒト由来株、食品由来株ともに TC、SM の耐性率が最も高く、KM、SM、TC、ST、NA は食
品由来株で耐性率が高い傾向が見られた。食品由来株のセフェム系薬 CTX、CAZ、CFX 耐性率も 2021
～2022 年分離株で低い傾向が見られていたが、2023 年に増加した。一方、アミノグリコシド系薬 GM、
AMK、キノロン系薬 CPFX、NFLX、ホスホマイシン系薬 FOM、カルバペネム系薬 IPM、MEPM に対
する耐性率は低いか、0％であった。食品由来株（1,173 株）において S. Infantis、S. Schwarzengrund、
S. Manhattan は、これらで全体の約８割を占め、国産鶏肉から検出される主要な血清型と考えられる。
S. Infantis では NA 耐性が低く、S. Schwarzengrund では ABPC 耐性やセフェム系薬耐性が低く、S.
Manhattan では KM 耐性が認められなかった。また S. Infantis、S. Schwarzengrund では SM、TC 耐
性率は高かった。一方、鶏肉よりも鶏卵から分離される S. Enteritidis では SM、TC 耐性率は低く、
2021 年分離株から初めて CPFX 耐性菌が検出された。食品からの分離が少ない S. Saintpaul 及び S.
Thompson においても SM, TC 耐性率は低かった。2015～2022 年分離サルモネラ株のうち、セフェム
系薬 CTX、CAZ、CFX 耐性の 1 剤以上に耐性を示すヒト由来 46 株および食品由来 48 株中の ESBL 遺
伝子および AmpC 遺伝子を検出すると、ESBL 遺伝子では CTX-M-1 グループと TEM 型はヒト由来株
と食品由来株の両方から検出されたが、CTX-M-9 グループはヒト由来株のみに検出された。また
AmpC 遺伝子では、CIT が両方から検出された。
カンピロバクターの薬剤耐性菌出現状況：C. jejuni/C. coli は 51 株（47%の検体陽性）が分離され、
C. jejuni が 40 株、C. coli が 10 株分離された（1 株未同定）。ABPC 耐性の C. jejuni は 20.0%（8/40）
であった。3 剤以上の多剤耐性を示した C. jejuni は 7 株（17.5%）であり、いずれも NA 及び CPFX 耐
性であった。C. coli は 3 剤以上の多剤耐性を示したのは 6 株（60.0%）であれ、いずれも NA 及び CPFX
耐性であった。EM 耐性の C. jejuni は検出されなかったが、C. coli では 2 株が EM 耐性であり、いず
れも多剤耐性株であった。
市販鶏肉由来大腸菌の薬剤耐性菌出現状況：国産鶏肉225検体から分離した403株、輸入鶏肉35検体
から分離した48株を用いて薬剤感受性試験を実施した。国産由来株で耐性率が高かったのはKM、
SM、TC、CP、NA、CPFX、NFLX の7薬剤であった。一方、輸入由来株の方が高かったのはABPC、
CTX、CAZ、GM、ST合剤、FOM の6 薬剤であり、薬剤別の耐性傾向が異なることが明らかとなっ
た。中でもKM耐性率は国産肉由来株では30.8％であるのに対し、輸入肉由来株では16.7％と低い耐性
率であった。しかし、輸入鶏肉のKM耐性率は2021年の1.6％から上昇傾向にあるので、今後の動向に
注意しなければならないと考えられた。一方、ABPC では国産肉由来株が36.2％に対し、輸入肉由来株
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(３) 食品
食品由来耐性菌の状況については研究事業の結果に基づいている（令和 5 年度厚生労働科学研究費補
助金 食品の安全確保推進研究事業・総括研究報告書「ワンヘルスに基づく食品由来薬剤耐性菌のサー
ベイランス体制強化のための研究」（研究代表者 菅井基行）。各地方衛生研究所（地研、任意参加し
ている 22 の地研）が当該地の市販肉を購入後、これまでに確立したプロトコルにしたがって、食肉を
汚染しているサルモネラ、カンピロバクター、大腸菌等を対象に選択培地を用いて培養・分離した。
その分離菌株の 17 種の薬剤について薬剤感受性検査を CLSI ディスク拡散法により実施した。
サルモネラの薬剤耐性菌出現状況：サルモネラについては、④ ii, Non-typhoidal Salmonella,（地方
衛生研究所）の項にまとめられている（p.32～p.38 参照）。概要としては、血清型 S. Infantis、 S.
Schwarzengrund、及び S. Manhattan においては、食品由来分離株はヒト患者糞便由来分離株の薬剤
耐性分離率や耐性パターンと高い類似性があり、食品由来耐性菌とヒト由来耐性菌との間には強い関
連性があることが示唆された。2023 年に収集されたサルモネラは食品由来 186 株でその 80％は国産鶏
肉由来で、1 剤以上に耐性を示した菌株の割合（耐性率）は 89.2％でヒト由来株 43.8％よりも高くなっ
ていた。ヒト由来株、食品由来株ともに TC、SM の耐性率が最も高く、KM、SM、TC、ST、NA は食
品由来株で耐性率が高い傾向が見られた。食品由来株のセフェム系薬 CTX、CAZ、CFX 耐性率も 2021
～2022 年分離株で低い傾向が見られていたが、2023 年に増加した。一方、アミノグリコシド系薬 GM、
AMK、キノロン系薬 CPFX、NFLX、ホスホマイシン系薬 FOM、カルバペネム系薬 IPM、MEPM に対
する耐性率は低いか、0％であった。食品由来株（1,173 株）において S. Infantis、S. Schwarzengrund、
S. Manhattan は、これらで全体の約８割を占め、国産鶏肉から検出される主要な血清型と考えられる。
S. Infantis では NA 耐性が低く、S. Schwarzengrund では ABPC 耐性やセフェム系薬耐性が低く、S.
Manhattan では KM 耐性が認められなかった。また S. Infantis、S. Schwarzengrund では SM、TC 耐
性率は高かった。一方、鶏肉よりも鶏卵から分離される S. Enteritidis では SM、TC 耐性率は低く、
2021 年分離株から初めて CPFX 耐性菌が検出された。食品からの分離が少ない S. Saintpaul 及び S.
Thompson においても SM, TC 耐性率は低かった。2015～2022 年分離サルモネラ株のうち、セフェム
系薬 CTX、CAZ、CFX 耐性の 1 剤以上に耐性を示すヒト由来 46 株および食品由来 48 株中の ESBL 遺
伝子および AmpC 遺伝子を検出すると、ESBL 遺伝子では CTX-M-1 グループと TEM 型はヒト由来株
と食品由来株の両方から検出されたが、CTX-M-9 グループはヒト由来株のみに検出された。また
AmpC 遺伝子では、CIT が両方から検出された。
カンピロバクターの薬剤耐性菌出現状況：C. jejuni/C. coli は 51 株（47%の検体陽性）が分離され、
C. jejuni が 40 株、C. coli が 10 株分離された（1 株未同定）。ABPC 耐性の C. jejuni は 20.0%（8/40）
であった。3 剤以上の多剤耐性を示した C. jejuni は 7 株（17.5%）であり、いずれも NA 及び CPFX 耐
性であった。C. coli は 3 剤以上の多剤耐性を示したのは 6 株（60.0%）であれ、いずれも NA 及び CPFX
耐性であった。EM 耐性の C. jejuni は検出されなかったが、C. coli では 2 株が EM 耐性であり、いず
れも多剤耐性株であった。
市販鶏肉由来大腸菌の薬剤耐性菌出現状況：国産鶏肉225検体から分離した403株、輸入鶏肉35検体
から分離した48株を用いて薬剤感受性試験を実施した。国産由来株で耐性率が高かったのはKM、
SM、TC、CP、NA、CPFX、NFLX の7薬剤であった。一方、輸入由来株の方が高かったのはABPC、
CTX、CAZ、GM、ST合剤、FOM の6 薬剤であり、薬剤別の耐性傾向が異なることが明らかとなっ
た。中でもKM耐性率は国産肉由来株では30.8％であるのに対し、輸入肉由来株では16.7％と低い耐性
率であった。しかし、輸入鶏肉のKM耐性率は2021年の1.6％から上昇傾向にあるので、今後の動向に
注意しなければならないと考えられた。一方、ABPC では国産肉由来株が36.2％に対し、輸入肉由来株
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