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我が国の財政運営の進むべき方向 (16 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20240521/zaiseia20240521.html
出典情報 我が国の財政運営の進むべき方向(5/21)《財務省》
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Ⅰ.基本認識
我が国の構造的課題である、少子高齢化・人口減少は現在、急速に進展
している。また、
「金利のある世界」が既に現実のものとなっている。あ
わせて、頻発する地震等の自然災害や安全保障環境の変化等、国内外の潜
在的なリスクに対する備えの必要性が高まっている。コロナ禍を脱し、経
済が力強さを取り戻しつつある今、こうした諸課題に対応するために、財
政を強靱化させることが強く求められている。
(日本が置かれた環境の変化)
国際情勢は緊迫の度合いを高めている。法の支配に基づく国際秩序は、
ロシアによるウクライナ侵略により挑戦にさらされている。中東地域も
緊張した状況が続く。保護主義が台頭し、グローバルサウス1が世界に大
きな存在感を示しつつある。
一方、国内に目を転じると、我が国の最大の構造的課題である少子化は
止まる気配が見えない。
昨年1年間の出生数は 75 万9千人2であったが、
国立社会保障・人口問題研究所の「将来推計人口(令和5年推計)

(出生
中位・死亡中位)では、出生数が 76 万人を下回るのは令和 17 年(2035
年)と予想されていた3。すなわち、12 年も少子化が前倒しされたことに
なる。日本の総人口は 13 年連続で減少しており4、令和5年(2023 年)
の人口減少は1年間で約 60 万人に達した。かかる状況に鑑みれば、まず
は少子化・人口減少に歯止めをかけるべく政府として最大限努力してい
くことが必要であるが、同時に、社会保障制度、公共サービス、社会資本

1 「グローバルサウス」とは、明確な定義や国のリストがあるわけではないが、国際社会における

影響力が増している途上国、新興国の総称。
2 「人口動態統計速報(令和5年(2023 年)12 月分)

(厚生労働省)によれば、令和5年(2023

年)の出生数(速報値。外国人を含む総人口ベース)が前年比 5.1%減の 75 万 8,631 人。
3 「日本の将来推計人口(令和5年推計)

(国立社会保障・人口問題研究所)によれば、出生中位

ケースの場合、出生数は令和5年(2023 年)に 76 万2千人となった後、令和6年(2024 年)
に増加し、その後徐々に低下し令和 17 年(2035 年)に 75 万5千人になると推計されていた。
4 総務省が本年5月に発表した昨年 10 月1日現在の人口推計によれば、日本の総人口が1億
2,435 万2千人と 13 年連続で減少したほか、自然減が 83 万7千人で、17 年連続の自然減少と
なり、減少幅は拡大している。

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