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我が国の財政運営の進むべき方向 (62 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20240521/zaiseia20240521.html
出典情報 我が国の財政運営の進むべき方向(5/21)《財務省》
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春闘の第5回集計の賃上げ率が 5.17%と、33 年ぶりに5%を超える高
水準であり、まずはこの流れを社会全体に波及させることが重要である。
さらに、最低賃金について、2030 年代半ばまでに 1,500 円を目指すとし
た目標を、より早く達成できるように取り組んでいく必要がある93。〔資
料Ⅳ-1-12 参照〕
このような持続的・構造的な賃上げに取り組むことに加えて、賃上げの
動きを全ての働く人々が実感でき、将来展望をもって生活できるよう、雇
用の安定を図る施策にも取り組む必要がある。
雇用保険の適用範囲の拡大94により、最大約 500 万人に、雇用のセーフ
ティネットが新たに提供されることは大きな一歩であるが、さらに、雇用
形態に関わらない公正な待遇確保(いわゆる「同一労働同一賃金」
)に向
けた方策も引き続き促進するとともに、こどもの貧困を始めとする多様
な支援ニーズへの対応を着実に強化していく必要がある。
〔資料Ⅳ-1-
13 参照〕
②こども・子育て支援政策における PDCA の推進
「少子化」が政策課題として認識された 1990 年代以降、少子化対策に
係る予算規模は着実に増加してきている。特に、最近 10 年間あまりで、
社会保障と税の一体改革による安定財源の確保を背景に、待機児童対策、
幼児教育・保育の無償化、高等教育の無償化等の取組が進められた。
こうした取組の結果、保育所等の待機児童は大きく減少する95など一定
の効果が出ている一方、いまだに多くの方々のこどもを生み育てたいと

政労使の意見交換(令和6年(2024 年)3月 13 日)における岸田内閣総理大臣の発言(抄)
「昨年を上回る水準の春季労使交渉の本日の回答額も踏まえて、今年の最低賃金の引上げ額につ
いて、公労使三者構成の最低賃金審議会でしっかりと議論いただきたいと思います。労働生産性
の引上げ努力等を通じ、
2030 年代半ばまでに 1,500 円となることを目指すとした目標について、
より早く達成ができるよう、中小企業・小規模企業の自動化・省力化投資や、事業承継、M&A
の環境整備等について、官民連携して努力してまいります。

94 雇用保険の適用範囲を週の所定労働時間が 10 時間以上(現行:20 時間以上)の労働者まで拡
大(令和 10 年(2028 年)10 月施行予定)
95 待機児童数は平成 29 年(2017 年)4月の最大 26,081 人から令和5年(2023 年)4月の 2,680
人まで減少。
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