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我が国の財政運営の進むべき方向 (76 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20240521/zaiseia20240521.html
出典情報 我が国の財政運営の進むべき方向(5/21)《財務省》
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イ)病院・診療所間の偏在対策
令和2年度(2020 年度)からスタートした「外来医療計画」に基づき、
「外来医師多数区域」においては一定の取組が始まっているが、全体の診
療所数の増加は止まっていない。一方で、病院の勤務医不足の課題が指摘
されている。開業医の一定数が病院勤務にシフトすれば、病院の勤務医不
足は相当程度改善されるとの指摘もある。
病院勤務医から開業医へシフトする流れを止めなければならない。改
革工程に基づき、経済的インセンティブ措置として、診療所の報酬適正化
をはじめとした診療報酬体系の適正化に取り組むべきである。
〔資料Ⅳ-
2-28 参照〕
ウ)地域間の偏在対策
医師の偏在は、病院・診療所間の偏在という側面に加えて、地域間の偏
在という側面もある。医師は、人口以上に大都市部の診療所に集中し、現
状のままでは、大都市部において医師や診療所数が過剰となり、地方はそ
れらが過少となる傾向が続くことになる。〔資料Ⅳ-2-29 参照〕
こうした医師偏在の状況を踏まえると、改革工程に基づく経済的イン
センティブ措置として、診療所の報酬適正化に加えて、地域別診療報酬を
活用したインセンティブ措置を検討する必要がある。診療報酬の仕組み
は、報酬点数×1点当たり単価(10 円)となっているが、診療所不足地
域と診療所過剰地域で異なる1点当たり単価を設定し、報酬面からも診
療所過剰地域から診療所不足地域への医療資源のシフトを促すことを検
討する必要がある。また、当面の措置として、診療所過剰地域における1
点当たり単価(10 円)の引下げを先行させ、それによる公費の節減効果
を活用して医師不足地域における対策を別途強化することも考えられる。
〔資料Ⅳ-2-30 参照〕
さらに、規制的手法も組み合わせる必要がある。ドイツ108やフランス

108

開業には医師免許に加え、卒後研修を修了し、保険医としての許可が必要。許可は、保険医の
種類毎・地域毎の供給水準を定める需要計画で調整される。

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