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我が国の財政運営の進むべき方向 (32 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20240521/zaiseia20240521.html
出典情報 我が国の財政運営の進むべき方向(5/21)《財務省》
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(3)国民への情報提供・将来世代の視点
①情報提供の重要性
過去の当審議会の建議において、
「海外の財政健全化の成功例に目を向
けると、財政健全化への国民的なコンセンサスが、その成功の根底にある」
と指摘している37。今後我が国で財政健全化に取り組んでいくに当たって
は、その前提として、財政の現状や課題に対する国民の理解を醸成し、議
論を喚起していくことが重要であり、それに資する客観的で分かりやす
い情報を国民に発信し、
「見える化」を進めていくことが必要である。そ
のためにも、財政の現実を適切に伝えられるよう、財政に関する広報及び
教育により一層注力していくべきである。
また、こうした取組に加えて、企業会計の考え方及び手法を参考に国の
財政状況等を説明した「国の財務書類」38は有益な情報であるため、今ま
で以上に財務情報の充実を図り、積極的な情報発信を行うべきである。
〔資料Ⅱ-4-10 参照〕
特に、公債発行に過度に依存する形で現世代が財政支出を行えば、その
負担を負うおそれがあるのは若い世代や将来世代であるが、その若い世
代の財政に関する問題意識が希薄ではないかとの懸念がある。1万人を
対象にした Web 調査によれば、借金に依存した財政を続けた場合に将来
生じ得ると思われる問題を問う設問に対し、若い世代の約3分の1が分
からないと回答との結果が示されている39。今後の日本を担う現在の若者
が、現在の財政運営の在り方が将来に及ぼす影響を自分事としてとらえ、
持続可能な社会の在り方について建設的な議論をする意識が醸成される

「経済・財政再生計画」の着実な実施に向けた建議」
(財政制度等審議会(平成 28 年(2016
年)5月 18 日))
38 「令和4年度国の財務書類(一般会計・特別会計)

「令和4年度連結財務書類」
(財務省(令和
6年(2024 年)3月)

39 「広報活動の改善を目的とした調査(令和4年度)

(財務省(令和5年(2023 年)3月))

「借
金(国債)に依存した財政を続けた場合、将来、どのようなことが問題になりそうだと思います
か」との設問に対し、
「子どもや孫の世代の税負担により、借金を返済することになる」
「借金の
返済が増え、現在と同じ水準の公共サービスを維持できなくなる」
「国債や通貨の信認が低下し、
金利や物価に影響が生じる」「経済危機や自然災害が起こったときの財政支出の余地が狭められ
る」「財政支出に対するチェックが甘くなりやすい」
「借金に依存した財政でも問題ない」「わか
らない」から回答を選ぶ形式。世代全体では「わからない」が 22.6%なのに対し、18~24 歳は
29.5%、25~34 歳は 34.2%。
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