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我が国の財政運営の進むべき方向 (72 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20240521/zaiseia20240521.html
出典情報 我が国の財政運営の進むべき方向(5/21)《財務省》
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格を決定・調整している。新薬の5~6割程度について「追加的有用性無
し」と評価され、こうした追加的有用性評価の結果に基づき、メリハリの
効いた表面価格が決定される。その上で、フランスでは費用対効果評価結
果とあわせて価格交渉が行われている。〔資料Ⅳ-2-17、18 参照〕
費用対効果評価と追加的有用性評価のいずれの方法にせよ、統一的な
手法により真に革新的な新薬とそうでないものを区分し、差別化した価
格設定を行っている。
一方、我が国では、費用対効果評価制度が平成 31 年(2019 年)4月
から運用されているが、その対象が、市場規模が大きい、又は著しく単価
が高い医薬品・医療機器に限られ令和6年(2024 年)4月時点で、36 品
目についての実施にとどまっている106。評価結果を反映させる価格調整
範囲は、薬価全体ではなく、有用性系加算や営業利益に関する部分に限ら
れており、これまでの薬価の引下げ幅は最大▲9.4%にとどまる。また、
保険償還の可否の判断に用いられていない。
保険収載された医薬品の費用は窓口負担・保険料負担・公費負担により
賄われており、費用対効果が低い医薬品に多額の支出が行われることは、
費用を負担する国民から見て好ましくない。真に革新的な新薬とそうで
ないものを区分し差別化した価格設定を行うことは、国民の革新的な医
薬品へのアクセスを改善することにつながる。
諸外国において費用対効果評価や追加的有用性評価を本格活用して差
別化した薬価の設定をしていることを踏まえ、我が国で既に一部導入さ
れている費用対効果評価を実施する薬剤の範囲や価格調整対象範囲を拡
大するとともに、費用対効果評価を実施している他国の例も踏まえ、費用
対効果評価の結果を保険償還の可否の判断にも用いることも検討すべき
である。その際、革新的な新薬を適切に評価することを含め他国における
運用上の工夫や国際的な議論の動向にも配意することが重要である。あ

~評価3とされた新薬)については、費用対効果評価結果とあわせて価格交渉が行われ、表面価
格(list prices)から値引きされる(値引き後価格は対外秘)。薬剤費が規定値を超えた場合は製薬
業界が売上超過額の一定額等を払い戻す仕組みを採用している。
106 その結果、27 品目の薬価が引き下げられている(うち2品目は令和6年(2024 年)7月1日
適用予定)


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