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我が国の財政運営の進むべき方向 (49 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20240521/zaiseia20240521.html
出典情報 我が国の財政運営の進むべき方向(5/21)《財務省》
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減少した東京都への転入超過数も、以前の水準に戻りつつある。年齢階層
別では、10 代後半から 20 代後半が転入超過となっており、大学進学や
就職に伴って若年層が東京都に流入する構造となっている。こうした傾
向が続けば、若年層が流出する地方において少子化が一層進むと考えら
れる。一方の東京圏においても、人口が集中する中で、住居費が高騰し、
通勤も比較的長時間となることから、若年層や子育て世帯の可処分所得
や可処分時間が低水準となり、少子化が加速する可能性があるとの指摘
がある。このため、東京一極集中の状況を是正していくことは、国全体の
少子化の流れを変えていくことにもつながる可能性がある。
また、東京都の地方税収等は増加傾向となっており、累次の税制改正に
よる是正措置が講じられてきたものの、全国の地方税収等に占める東京
都のシェアは、なお高い水準を維持している74。この背景には、人口・経
済の一極集中に加え、近年の電子商取引の普及・拡大といった事業形態の
変化等も一定の影響を及ぼしていると考えられる75。東京都はこうした地
方税収等の増加に伴い、過去 10 年間、他の道府県と比較して、歳出総額
を大きく増加させてきている。
〔資料Ⅲ-2-18 参照〕
豊かな財政力を背景に東京都が手厚い行政サービスを充実させること
で、東京と地方の間、さらには首都圏内の都県間においても、行政サービ
スの格差が拡大してきており、東京への人口流入を加速させる可能性が
ある。こうした地域格差が過度に広がることなく、各地域の実情に応じた
きめ細やかな行政サービスを地方自治体が安定的に提供していくための
基盤として、偏在性が小さい地方税体系を構築することが重要である。
〔資料Ⅲ-2-19 参照〕

74

「東京都の地方税収等」は、特別区を含む地方税収及び地方譲与税収の合計額(超過課税分、
法定外税等を含む。


75 地方法人2税の税収は、自治体ごとの税額計算に当たり、所在する事業所数や従業者数等に応
じて課税標準額が分割される。電子商取引は、購入者の近くに事業所等が無くとも広く事業展開
が可能であるため、事業所等の数が少なくなり、本社が多く存在する東京に一層税収が集中しや
すい構造となっていることが考えられる。

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