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我が国の財政運営の進むべき方向 (17 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20240521/zaiseia20240521.html
出典情報 我が国の財政運営の進むべき方向(5/21)《財務省》
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等これまでの日本を支えてきた社会経済システム等を将来の我が国の形
にあわせて大胆に見直していくことが不可欠である。課題解決を先送り
する時間的な余裕は残されていない。
(経済・財政状況等)
我が国の経済は、生産性上昇に資する投資の低迷や産業の新陳代謝が
十分起きなかったこと等を背景に、バブル崩壊後の 30 年間にわたり低成
長を続けてきたが、今や新たなステージに移行しつつある。令和5年
(2023 年)の名目 GDP は対前年比 5.7%増という 32 年ぶりの高い伸び
を示し、591 兆円に達する見通しとなっており、600 兆円が目前に迫る。
昨年度の消費者物価指数5の上昇率は 3.9%と、42 年ぶりの水準となった。
足もとの春闘では 33 年ぶりの賃上げを伺う勢いである。
こうした中、日本銀行は本年3月の金融政策決定会合において、
「長短
金利操作付き量的・質的金融緩和」の枠組みを見直し、17 年ぶりの利上
げを実施した。コロナ禍の間は概ね0%近傍で推移していた長期金利は、
昨夏以降は1%に近い水準まで上昇してきている。預金金利を引き上げ
る金融機関も徐々に広がりつつある。
過去 30 年間の我が国の財政を振り返ると、高齢化という構造的課題へ
の対応が不十分であったことに加え、経済危機・災害等への対応のため繰
り返し財政出動が行われてきたこと、かつ、そうした危機後の歳出構造の
平時化に時間を要してきていることから、債務残高は増加の一途をたど
ってきた。足もとの債務残高対 GDP 比は一般政府6ベースで 250%を超
え、19 世紀以降の主要先進国において、戦時でもない中で異例と言える
水準7に達しつつある。
諸外国に目を転じると、イギリスでは、一昨年のトラス・ショック8に

5

生鮮食品及びエネルギーを除く総合
中央政府、地方政府、社会保障基金を合わせたもの
7 1900 年以降の主要先進国において記録のある範囲内で見れば、第二次世界大戦後のイギリスが
債務残高対 GDP 比で 250%を越える水準となっている。
8 イギリスのリズ・トラス内閣(当時)が、財源の裏付けがなく、経済財政見通しも示さないま
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