令和6年度予算の編成等に関する建議 参考資料(3) (30 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20231120/zaiseia20231120.html |
出典情報 | 令和6年度予算の編成等に関する建議(11/20)《財務省》 |
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○ LCCが増大する例が多い理由としては、以下のような点が挙げられる。
① LCCの算出は装備品の構想、研究開発、設計・仕様決定以降に実質的に開始されることが多く、構想段階か
ら調達、量産・配備、運用・維持、廃棄という一連のプロセスを一貫して管理することが困難
② コストデータバンクの未装備により根拠あるデータに基づくLCC変動要因の実態把握が不十分
○ その上で、プロジェクトの中止の実例がない理由としては、
③ 調達予定数量の変更等の要因によりベースラインを引き直す際、既に発生している当該要因以外の要因による
コスト変化も全て含めてその段階でベースラインをゼロから計算しなおす現在の計算方式は、本来見直し基準等
に該当するものをその対象から除外している可能性がある
④ プロジェクトが見直しや中止の基準に該当することとなった場合、その見直し・継続・中止の判断を防衛省内で完
結することについてガバナンスが働きにくい(米国においては、事業継続には議会(下院)の承認が必要)
等がある。
○ こうした現状に際し、下表のような取組みを実施することが必要ではないか。
課題
①LCCの一貫
した管理
具体的取り組みの方向
・ 装備品選定時において、取得価格だけでなくLCCを考慮した上で調達方法等を決定
・ 設計・仕様決定時において、独自仕様を避け、汎用性のある部品を選択するなど、量産・維持段階のコストを考慮
・ 機能・仕様変更時においては、その費用対効果を厳密に分析
・ 整備段階において、過度な補用品の発生等を避けるための整備項目の精査
②コストデータ
バンクの実装
と活用
・ 価格上昇が著しい部品やそれに共通する要因を把握・分析できるようコストデータバンクを整備し、管理を徹底
・ 部品の枯渇情報や価格高騰情報を体系的に把握し、事前のまとめ買いや早めの代替品の選定等を実施
・ 個別部品の価格上昇耐性等を把握することにより、今後の調達における部品選定に活用
③ベースライン
・ 調達予定数量の変更等の要因によりベースラインを引き直す際、当該要因以外のコスト変化の影響は維持する形での引き直し
にすることで、引き直し前のコスト変化も含めて評価できるよう、運用方法を見直すこと
・ 為替や物価等による補正を行わないベースラインと現状値との比較で評価する見直し指標を追加すること
④ガバナンス
・ 見直し基準に該当することとなったものについては、その継続・中止の判断について防衛省内でのプロセスを完結させ
るのではなく、財政当局への協議をプロセスに加えること