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資料 令和5年度救急業務のあり方に関する検討会報告書(案) (64 ページ)

公開元URL https://www.fdma.go.jp/singi_kento/kento/post-134.html
出典情報 救急業務のあり方に関する検討会(2/20)《総務省》
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「救急ひっ迫時」に行うべき対応
救急需要の増減幅は平時から大きいが、救急需要が搬送力・受入体制を超過す
ると需給バランスの不均衡が生じて救急ひっ迫が顕在化する。熱中症、新型コロ
ナ、NBC・テロ、自然災害等の平時、有事の状況が考えられるが、どのような状
況が「救急ひっ迫時」と言えるのか、その際にどのような救急対応が望まれるの
か、さらに個々の措置を発動する際の基準等については、今後検討が必要である。

「救急業務」と「緊急性」の関係性
消防法第2条第9項の「救急業務」の対象は、緊急に搬送する必要がある(=
「緊急性」がある)傷病者であり、「緊急性」は緊急度判定プロトコルにおいて
医学的観点から生理学的に具体化され、「緊急性」の指標として「緊急度」が活
用されている。特に救急ひっ迫時は、低緊急・非緊急の搬送優先度は相対的に低
下することが考えられるが、確率論に基づく現在の医学的水準でも緊急度判定プ
ロトコルによるアンダートリアージの完全排除は困難であり、傷病者対応に万全
を期すため、従来、消防機関は 119 番通報を受電すれば救急搬送を行うことを原
則に活動してきた。
このような背景がある中、新型コロナウイルス感染症の流行では、救急現場の
懸命な努力にも関わらず「救急ひっ迫」により救えるはずの命が救えない事態が
懸念された。
「緊急性」は、地域の社会資源、医療介入の必要度、標準的な医療水準等によ
り変化し得ること、傷病者の容態等も経時的に変化することから、「救急業務」
の該当性は、消防法体系や緊急度判定プロトコルを指針として、最終的には通信
指令員や救急隊員が事案ごとの判断を行っている。しかし、これまでに訴訟が提
起された事例もあり、平時にまたがる課題として、消防機関、医師、行政官まで
も含めた法的な保護・免責の必要性等について意見があった。
「救急業務」の要件である「緊急性」について更に議論を深めて、まずは、消
防法体系や緊急度判定プロトコルにおいてどのように考え方を明確化して示す
か、さらに緊急度判定後の受療手段の選択、適切な行政サービスへの振り分け等
を地域ごとにどのように定めるか(※)、引き続き検討が必要である。

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