参考資料1 自治体から連絡のあった疾患に関する新旧の診断基準及び臨床調査個人票 (148 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html |
出典情報 | 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》 |
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典型例及び非典型例を対象とする。
1.他の原因による肝障害が否定される
2.抗核抗体陽性あるいは抗平滑筋抗体陽性
3.IgG 高値(>基準上限値 1.1 倍)
4.組織学的に interface hepatitis や形質細胞浸潤がみられる
5.副腎皮質ステロイドが著効する
診断のカテゴリー
典型例
上記項目で1を満たし、2~5のうち3項目以上を認める。
非典型例
上記項目で1を満たし、2~5の所見の1~2項目を認める。
注
1.副腎皮質ステロイド著効所見は治療的診断となるので、典型例・非典型例ともに、治療開始前に肝生検を
行い、その組織所見を含めて診断することが原則である。ただし、治療前に肝生検が施行できないときは
診断後速やかに副腎皮質ステロイド治療を開始する。
2.国際診断スコアが計算できる場合にはその値を参考とし、疑診以上は自己免疫性肝炎と診断する。
3.診断時、既に肝硬変に進展している場合があることに留意する。
4.急性発症例では、上記項目2、3を認めない場合がある。また、組織学的に門脈域の炎症細胞を伴わず、
中心静脈域の壊死、炎症反応と形質細胞を含む単核球の浸潤を認める症例が存在する。
5.診断が確定したら、必ず重症度評価を行い、重症の場合には遅滞なく、中等症では病態に応じ専門機関へ
紹介する。なお、1のみを満たす症例で、重症度より急性肝不全が疑われる場合も同様の対応をとる。
6.簡易型スコアが疑診以上の場合は副腎皮質ステロイド治療を考慮する。
7.抗ミトコンドリア抗体が陽性であっても、簡易型スコアが疑診以上の場合には副腎皮質ステロイド治療を考
慮する.自己免疫性肝炎での抗ミトコンドリア抗体陽性率は約 10%である。
8.薬物性肝障害(Drug-induced liver injury:DILI)の鑑別には DDW-J 2004 薬物性肝障害診断スコア及びマ
ニュアルを参考にする。
9.既知の肝障害を認め、この診断指針に該当しない自己免疫性肝炎も存在する。