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参考資料1 自治体から連絡のあった疾患に関する新旧の診断基準及び臨床調査個人票 (35 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html
出典情報 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》
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73 下垂体性TSH分泌亢進症
<診断基準>
Definite、Probable を対象とする。
1.主要項目
(1)主要症候
①甲状腺中毒症状(動悸、頻脈、発汗増加、体重減少)を認める(注 1)。
②びまん性甲状腺腫大を認める。
③下垂体腺腫による症状(頭痛・視野障害)を認める。
(2)検査所見
①血中甲状腺ホルモン(遊離 T4)が高値にもかかわらず、血中 TSH は用いた検査キットにおける健常者
の年齢・性別基準値と比して正常値~軽度高値を示す(Syndrome of Inappropriate Secretion of TSH ;
SITSH)。
②画像診断で下垂体腺腫を認める。
③摘出した下垂体腺腫組織の免疫組織学的検索により TSHβないしは TSH 染色性を認める。
2.参考事項
(1)TRH 試験により血中 TSH は無~低反応を示す(頂値の TSH は前値の 2 倍以下となる)例が多い(注
2)。
(2)他の下垂体ホルモンの分泌異常を伴い、それぞれの過剰ホルモンによる症候を示すことがある。
(3)腫瘍圧排による他の下垂体ホルモンの分泌低下症候を呈することがある。
(4)稀であるが異所性 TSH 産生腫瘍がある。
(5)見かけ上の SITSH として、家族性異常アルブミン性高サイロキシン血症、抗 T4 抗体や抗 T3 抗体によ
る甲状腺ホルモンの高値、抗マウス IgG 抗体などの異種抗体による甲状腺ホルモンや TSH の高値があ
り、注意が必要である。また、アミオダロンなどヨウ素を含有する薬剤で甲状腺ホルモンが高値でも TSH
が測定されることがある。
3.鑑別診断
甲状腺ホルモン不応症(甲状腺ホルモン受容体β の遺伝子診断が役立つ。)

4.診断のカテゴリー
Definite:1の(1)のうち 1 項目以上を満たし、1の(2)の全てを満たし、3の鑑別疾患を除外したもの
Probable:1の(1)のうち 1 項目以上を満たし、1の(2)の①及び②を満たし、3の鑑別疾患を除外したもの
(注1)中毒症状はごく軽微なものから中等症が多い。
(注 2)少数例では反応を認める。