参考資料1 自治体から連絡のあった疾患に関する新旧の診断基準及び臨床調査個人票 (16 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html |
出典情報 | 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》 |
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○ 概要
1.概要
全身性エリテマトーデスは DNA-抗 DNA 抗体などの免疫複合体の組織沈着により起こる全身性炎症性
病変を特徴とする自己免疫疾患である。症状は治療により軽快するものの、寛解と増悪を繰り返して慢性
の経過を取ることが多い。
2.原因
一卵性双生児での全身性エリテマトーデスの一致率は 25%程度であることから、何らかの遺伝的素因を
背景として、感染、性ホルモン、紫外線、薬物などの環境因子が加わって発症するものと推測されている。
その結果、自己抗体、特に抗 DNA 抗体が過剰に産生され、抗原である DNA と結合して免疫複合体を形成
される結果、組織に沈着して補体系の活性化などを介して炎症が惹起されると考えられる。
3. 症状
(1)全身症状:全身倦怠感、易疲労感、発熱などが先行することが多い。
(2)皮膚・粘膜症状
蝶形紅斑とディスコイド疹が特徴的である。日光暴露で増悪する。ディスコイド疹は顔面、耳介、頭部、関
節背面などによくみられ、当初は紅斑であるが、やがて硬結、角化、瘢痕、萎縮をきたす。この他凍瘡様皮
疹、頭髪の脱毛、日光過敏も本症に特徴的である。
(3)筋・関節症状
筋肉痛、関節痛は急性期によくみられる。関節炎もみられるが、骨破壊を伴うことはないのが特徴。
(4)腎症状:糸球体腎炎(ループス腎炎)は約半数の症例で出現し、放置すると重篤となる。
(5)神経症状
中枢神経症状を呈する場合は重症である(CNS ループス)。うつ状態、失見当識、妄想などの精神症状と
痙攣、脳血管障害がよくみられる。
(6)心血管症状
心外膜炎はよくみられ、タンポナーデとなることもある。心筋炎を起こすと、頻脈、不整脈が出現する。
(7)肺症状
胸膜炎は急性期によくみられる。このほか、間質性肺炎、細胞出血、肺高血圧症は予後不良の病態とし
て注意が必要である。
(8)消化器症状:腹痛がみられる場合には、腸間膜血管炎やループス腹膜炎に注意する。
(9)血液症状:溶血性貧血、白血球減少や血小板減少も認められ、末梢での破壊によると考えられている。
(10)その他:リンパ節腫脹は急性期によくみられる。
4.治療法
(1)非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs)