よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


参考資料1 自治体から連絡のあった疾患に関する新旧の診断基準及び臨床調査個人票 (31 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html
出典情報 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

72 下垂体性ADH分泌異常症
<診断基準>
A.バソプレシン分泌低下症(中枢性尿崩症)
Definite を対象とする。
1.主要項目
(1)主症候
①口渇
②多飲
③多尿
(2)検査所見
①尿量は成人においては 1 日 3,000 ml 以上又は 40 ml/kg 以上、小児においては 2,000 ml/m2 以上。
②尿浸透圧は 300 mOsm/kg 以下。
③高張食塩水負荷試験におけるバソプレシン分泌の低下: 5%高張食塩水負荷(0.05 ml/kg/min で 120
分間点滴投与)時に、血漿浸透圧(血清ナトリウム濃度)高値においても分泌の低下を認める(注 1)。
④水制限試験(飲水制限後、3%の体重減少又は 6.5 時間で終了)においても尿浸透圧は 300 mOsm/kg
を超えない。
⑤バソプレシン負荷試験[バソプレシン(ピトレシン注射液®)5 単位皮下注後 30 分ごとに 2 時間採尿]で
尿量は減少し、尿浸透圧は 300 mOsm/kg 以上に上昇する(注 2)。
(3)鑑別診断
多尿を来す中枢性尿崩症以外の疾患として次のものを除外する。
①心因性多飲症:高張食塩水負荷試験で血漿バソプレシン濃度の上昇を認め、水制限試験で尿浸透圧
の上昇を認める。
②腎性尿崩症:家族性(バソプレシン V2 受容体遺伝子変異又はアクアポリン 2 遺伝子変異)と続発性
[腎疾患や電解質異常(低カリウム血症・高カルシウム血症)、薬剤(リチウム製剤など)に起因するも
の]に分類される。バソプレシン負荷試験で尿量の減少と尿浸透圧の上昇を認めない。
2.参考事項
(1)血清ナトリウム濃度は正常域の上限か、あるいは上限をやや上回ることが多い。
(2)MRI T1 強調画像において下垂体後葉輝度の低下を認める(注 3)。
3.診断のカテゴリー
Definite 1: 1の(1)の全てを満たし、1の(2)の①から③の全てを満たし、1の(3)の鑑別疾患を除外したも
の。
Definite 2: 1の(1)の全てを満たし、1の(2)の①,②,④,⑤の全てを満たし、1の(3)の鑑別疾患を除外し
たもの。