参考資料1 自治体から連絡のあった疾患に関する新旧の診断基準及び臨床調査個人票 (40 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html |
出典情報 | 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》 |
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②一晩大量デキサメタゾン抑制試験:前日深夜に大量(8 mg)のデキサメタゾンを内服した翌朝(8~10
時)の血中コルチゾール値が前値の半分以下に抑制される(注 7)。
③画像検査:MRI 検査による下垂体腫瘍の存在(注 8)。
④選択的下錐体静脈洞血サンプリング(注 9):血中 ACTH 値の中枢・末梢比(C/P 比)が 2 以上(CRH 刺
激後は 3 以上)(注 10)。
2.診断のカテゴリー
Definite 1:(1)の①の 1 項目以上を満たし、(1)の②の 1 項目以上を満たし、(2)の全てを満たし、(3)の
全てを満たし、(4)の①、②、③の全てを満たすもの。
Definite 2:(1)の①の 1 項目以上を満たし、(1)の②の 1 項目以上を満たし、(2)の全てを満たし、(3)の
全てを満たし、(4)の①、②、④の全てを満たすもの。
Possible:(1)の①、②の中から 1 項目以上を満たし、(2)の全てを満たし、(3)の全てを満たすもの。
(注 1)サブクリニカルクッシング病では、これら特徴所見を欠く。下垂体偶発腫瘍として発見されることが多
い。
(注 2)採血は早朝(8〜10 時)に、約 30 分間の安静の後に行う。ACTH が抑制されていないことが副腎性
クッシング症候群との鑑別において重要である。コルチゾール値に関しては、約 10%の測定誤差を
考慮して判断する。コルチゾール結合グロブリン(CBG)欠損(低下)症の患者では、血中コルチゾー
ルが比較的低値になるので注意を要する。
(注 3)原則として 24 時間蓄尿した尿検体で測定する。施設基準に従うが、一般に 70 µg/日以上で高値と
考えられる。ほとんどの顕性クッシング病では 100 µg/日以上となる。
(注 4)一晩少量デキサメタゾン抑制試験では従来 1~2 mg のデキサメタゾンが用いられていたが、一部の
クッシング病患者においてコルチゾールの抑制(偽陰性)を認めることから、スクリーニング検査とし
ての感度を上げる目的で、0.5 mg の少量が採用されている。血中コルチゾール 3 µg/dl 以上でサブ
クリニカルクッシング病を、5 µg/dl 以上でクッシング病を疑う。血中コルチゾールが充分抑制された
場合は、ACTH・コルチゾール系の機能亢進はないと判断できる。服用している薬物、特に CYP3A4
を誘導するものは、デキサメタゾンの代謝を促進するため偽陽性となりやすい(例:抗菌剤リファンピ
シン、抗てんかん薬カルバマゼピン・フェニトイン、血糖降下薬ピオグリタゾンなど)。米国内分泌学会
ガイドラインでは 1 mg デキサメタゾン法が用いられ、血中コルチゾールカットオフ値は 1.8 µg/dl とな
っている。
(注 5)周期性を呈する場合があり、可能な限り複数日に測定して高値を確認する。唾液コルチゾールの測
定は有用であるが、本邦での標準的測定法が統一されておらず、基準値が確定していない。
(注 6)DDAVP(4 µg)静注後の血中 ACTH 値が前値の 1.5 倍以上を示すこともクッシング病の診断に有用
である。ただし、DDAVP は検査薬として保険適用外である。
(注 7)著明な高コルチゾール血症の場合、大量(8 mg)デキサメタゾン抑制試験では、血中コルチゾールが
1/2 未満に抑制されない例もあるので、注意を要する。
(注 8)微小腺腫の描出には、3 テスラの MRI で診断することを推奨し、各 MRI 装置の高感度検出法を用い