よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


参考資料1 自治体から連絡のあった疾患に関する新旧の診断基準及び臨床調査個人票 (53 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html
出典情報 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

1.主要項目
(1)主症候
①易疲労感、脱力感
②食欲不振、体重減少
③消化器症状(悪心、嘔吐、便秘、下痢、腹痛)
④血圧低下
⑤精神障害(無気力、嗜眠、不安、性格変化)
⑥発熱
⑦低血糖症状
⑧関節痛
(2)検査所見
①血中コルチゾールの正常低値~低値(注 1)
②尿中遊離コルチゾール排泄量の低下
③血中 ACTH は高値ではない(注 2)。
④ACTH 分泌刺激試験[CRH 試験(100 µg 静注)(注 3)、インスリン低血糖試験(注 4)]に対して、血中
ACTH 及びコルチゾールは低反応ないし無反応を示す(注 5)。
⑤迅速 ACTH 試験(コートロシン® 250 mg 静注)に対して血中コルチゾールは低反応を示すことが多い。
ただし、ACTH-Z 試験(コートロシン Z® 500 mg、3 日間筋注)に対しては増加反応がある。
2.除外規定
ACTH 分泌を低下させる薬剤投与を除く。特にグルココルチコイド(注射薬、内服薬、外用薬、吸入薬、点
眼薬、関節内注入薬など)については十分病歴を確認する。
3.診断のカテゴリー
Definite:1の(1)の1項目以上を満たし、1の(2)の①から④の全てを満たし、2の除外規定を満たすも
の(注 6)。
(注 1)血中コルチゾール値に関しては、約 10%の測定誤差を考慮して判断する。
(注 2)血中 ACTH は 10 pg/ml 以下の低値の場合が多いが、一部の症例では血中 ACTH は正常な
いし軽度高値を示す。生物活性の乏しい ACTH が分泌されている可能性がある。CRH 負荷前
後の血中コルチゾールの増加率は、原発性副腎機能低下症を除外できれば、生物活性の乏し
い ACTH が分泌されている可能性の鑑別に参考になる。
(注 3)血中コルチゾール反応が 18 µg/dl 未満で、反応不良を疑う。CRH 受容体異常によって、血中
ACTH の低値と分泌刺激試験での血中 ACTH の低反応が認められることがある。
(注 4)原則として、血糖値 45 mg/dl 以下となった場合を有効刺激とする。インスリン感受性亢進のた
め、インスリン投与量を場合によっては、通常(0.1 U/kg 静注)から半分(0.05 U/kg 静注)にす
る。低血糖ストレスによって嘔吐、腹痛、ショック症状を伴う急性副腎機能不全に陥ることがある