参考資料1 自治体から連絡のあった疾患に関する新旧の診断基準及び臨床調査個人票 (59 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html |
出典情報 | 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
質(QOL)の低下をきたし、皮膚の乾燥と菲薄化、体毛の柔軟化、ウェスト/ヒップ比の増加を認める
ことが多い。
(附2)検査所見として、体脂肪(内臓脂肪)の増加、除脂肪体重の減少、筋肉量減少、骨塩量減少、脂質
代謝異常、耐糖能異常、脂肪肝(注9)を認める。
(附3)本診断基準は原則として 18 歳以上で用いるが、18 歳未満であってもトランジション期には本疾患の
病態はすでに始まっているため、適切な時期に評価を検討する。
(附4)小児期に GH 分泌不全性低身長症と診断されて GH 投与による治療歴があるものでも、成人におい
て GH 分泌刺激試験に正常な反応を示すことがあるので再度検査が必要である。
(注1)適切な GH 補充療法後や頭蓋咽頭腫の一部(growth without GH と呼ばれる)では成長障害を認め
ないことがある。また、性腺機能低下症の存在、それに対する治療の影響も考慮する。
(注2)頭蓋内の器質性疾患、頭部の外傷歴、手術及び放射線治療歴、あるいは画像検査において視床下
部下垂体系の異常所見が認められ、それらにより視床下部下垂体機能障害の合併が強く示唆され
た場合。
(注3)重症成人 GH 分泌不全症が疑われる場合は、インスリン負荷試験又は GHRP-2 負荷試験をまず試
みる。インスリン負荷試験は虚血性心疾患や痙攣発作を持つ患者では禁忌である。追加検査として
アルギニン負荷あるいはグルカゴン負荷試験を行う。クロニジン負荷、L-DOPA 負荷は偽性低反応
を示すことがあり、GHRH 負荷試験は視床下部障害や放射線療法後に偽性反応を示すことがあるた
め診断基準には含まれていない。
(注4)現在の GH 測定キットはリコンビナント GH に準拠した標準品を用いている。キットにより GH 値が異
なるため、成長科学協会のキットごとの補正式で補正した GH 値で判定する。
(注5)次のような状態においては、GH 分泌刺激試験において低反応を示すことがあるので注意を必要と
する。
1. 甲状腺機能低下症:甲状腺ホルモンによる適切な補充療法中に検査する。
2. 中枢性尿崩症:DDAVP による治療中に検査する。
3. 成長ホルモン分泌に影響を与える下記のような薬剤投与中:可能な限り投薬中止して検査する。
薬理量の糖質コルチコイド、α -遮断薬、β -刺激薬、抗ドパミン作動薬、抗うつ薬、抗精神病薬、抗
コリン作動薬、抗セロトニン作動薬、抗エストロゲン薬
4. 高齢者、肥満者(アルギニン負荷、グルカゴン負荷試験の場合)、中枢神経疾患やうつ病に罹患した
患者
(注6)重症型以外の成人 GH 分泌不全症を診断できる GHRP-2 負荷試験の血清(血漿)GH 基準値はま
だ定まっていない。
(注7)器質性疾患による複数の下垂体前葉ホルモン分泌障害を認める場合には、下垂体炎など自己免疫
機序によるものを除いて、ほとんどの場合 GH 分泌が障害されている。
(注8)栄養障害、肝障害、コントロール不良な糖尿病、甲状腺機能低下症など他の原因による血中濃度の
低下がありうる。
(注9)単純性脂肪肝だけではなく、非アルコール性脂肪肝炎、肝硬変の合併にも注意が必要である。