規制改革推進に関する答申(案) (104 ページ)
出典
公開元URL | https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/committee/220527/agenda.html |
出典情報 | 規制改革推進会議(第13回 5/27)《内閣府》 |
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を可能とするとともに、不必要なローカルルールがある場合は、その排除に取
り組むこと、③個別の手続ごとのシステム整備が容易となるようシステム間の
疎結合を意識した設計を行うこと、④開発段階から実際の利用者目線による試
行を繰り返すとともに、運用開始後もシステムの利用状況を定期的に調査・検
証し、システムの継続的な改善に取り組むこと。
キ 自筆証書遺言制度のデジタル化
【a,c,d:速やかに情報収集等を行った上で令和4年度中に検討を開始し、
令和5年度中を目途に一定の結論を得る、
b:速やかに検討を開始し、令和4年度に一定の結論を得る】
<基本的考え方>
自筆証書遺言は、民法(明治 29 年法律第 89 号)において、書面・自書・押印
が必要とされており、これら法律上の要件を欠く遺言は無効となる。これらは、
我が国社会の基層を形成する書面・押印原則の一つといえる。
しかし、多くの国民にとって、手書きで、様々な決まり事に従って有効な遺言
を書くことは容易ではない。高齢化の進展や家族のかたち等に対する国民意識の
変化に伴い、また、所有者不明土地問題などの社会課題を解決する上でも、より
多くの人が、簡便に遺言を作成できるようにする必要性は高まっている。また、
自筆であるからといって、本人の意思が的確に反映されているとの保証はない。
デジタル技術を用いた民間の創意工夫も活かしながら、より作成しやすく、かつ、
現行の自筆証書遺言と同程度又はそれ以上の真正性を確保することは十分に可
能と考えられる。また、遺言作成者本人、相続人にとって満足度が高く、紛争の
生じにくい遺言を作成する上では、民法はもとより、税法、不動産関連法規等の
専門知識が必要となる。遺言作成者の知識不十分に起因するトラブルや、手続漏
れの発生を抑止する上でも、遺言作成時のデジタル化によるアシストは有効であ
ると考えられる。
現在、政府においては、デジタル原則にのっとり、デジタル社会の実現に向け
た構造改革を3年間で集中的に進めており、自筆証書遺言の制度が我が国社会に
深く根ざしたものであることを踏まえても、書面・自書・押印という一律の規律
から、デジタル原則にのっとり、リスクベース・ゴールベースでの技術の進展等
を踏まえた機動的な対応を可能とするよう新しい遺言の方式の検討が必要であ
る。あわせて、「自筆証書遺言」の原本が紙であることを前提にする自筆証書遺
言書保管制度についても、デジタル完結に向けた取組を行うとともに、デジタル
原則にのっとった、新しい遺言の方式によりされた遺言についても保管の対象と
するための検討を行うことが必要である。さらに、将来的には、民間の手続も含
め、相続等に関連する全ての手続のデジタル完結に向け、取り組むべきである。
以上の基本的考え方に基づき、以下の措置を講ずるべきである。
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