規制改革推進に関する答申(案) (84 ページ)
出典
公開元URL | https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/committee/220527/agenda.html |
出典情報 | 規制改革推進会議(第13回 5/27)《内閣府》 |
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り、腐敗しやすく貯蔵性がない、需給の季節変動が生じる等の特徴がある。その
ため、生乳取引においては、個々の酪農家の立場が弱くなることから協同組合が
組織され、効率的に個々の酪農家から集乳するため、指定生乳生産者団体による
一元集荷・多元販売の体制が確立されてきた。
そうした中、酪農家が生乳の出荷先等を自由に選べる環境を実現し、付加価値
を高めた牛乳・乳製品の開発製造、販売などの酪農家の創意工夫を生かせる環境
を整備するため、指定生乳生産者団体制度や加工原料乳生産者補給金の交付対象
の在り方の抜本的改革として、畜産経営の安定に関する法律(昭和 36 年法律第
183 号)及び独立行政法人農畜産業振興機構法(平成 14 年法律第 126 号)の改
正(平成 30 年4月施行)がなされた。
しかし、制度的な独占は解除されたものの、依然として、指定生乳生産者団体
等による独占禁止法上問題となるおそれがある行為が行われている可能性があ
ったことから、取引の自由度を高め、適正な取引環境を整備するため、令和3年
6月の規制改革実施計画に基づき、酪農家、乳業メーカー、チーズ工房を対象に、
制度改正後の生乳取引実態の全国調査が実施された。
調査の結果、酪農家の出荷先の選択や乳業メーカーの調達先の選択に対して、
指定生乳生産者団体等による不適正な取引が疑われる事例が報告され、その原因
として、新たな生乳流通制度や独占禁止法等の関係法令に対する理解や対応が不
十分であり、基本的な取引ルールが浸透していないことが考えられる。不適正な
生乳取引の発生を防止するためには、新たに作成した「生乳の適正取引推進ガイ
ドライン」の周知や、組織の代表者によるコンプライアンスに関する対外的なメ
ッセージ発信、相談窓口の設置及び周知等を行い、酪農・乳業に関わる全ての関
係者への理解浸透を徹底していく必要がある。
農林水産省が作成した、農業協同組合(以下「農協」という。)が受託販売を
拒否できることを示した「指定事業者が生乳取引を拒否できるルール違反の事例
集」については、酪農家の自由な取引を萎縮させているとの声があったことから、
全国調査で実態を把握し、結果を踏まえて見直しを行い、新たに「酪農経営の安
定のための生乳取引に向けて」のパンフレットが作成された。「生乳の適正取引
推進ガイドライン」に加えて、「酪農経営の安定のための生乳取引に向けて」の
パンフレットを活用するなどして、酪農・乳業に関わる全ての関係者への理解の
浸透を図り、その状況を定量的に把握し、必要に応じて内容の見直しを行うなど、
適正で透明な取引環境の整備に向けた継続的な改善が必要である。
以上の基本的考え方に基づき、以下の措置を講ずるべきである。
<実施事項>
a 農林水産省は、酪農・乳業に関わる全ての関係者に対して、新たに作成した
「生乳の適正取引推進ガイドライン」や「酪農経営の安定のための生乳取引に
向けて」のパンフレットが認知されるよう周知徹底を図るとともに、公正取引
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