よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


デジタル田園都市国家構想基本方針(案) (5 ページ)

公開元URL https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/dai8/gijisidai.html
出典情報 デジタル田園都市国家構想実現会議(第8回 6/1)《内閣官房》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

第1章

デジタル田園都市国家構想の基本的な考え方
~「全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」を目指して~

1.構想の背景
地方には人口減少や少子高齢化、産業空洞化などの社会課題がある。こうした課
題を解決し、地方活性化を図っていかねばならない。このため、2014 年以降地方創
生に取り組んできたが、東京圏と地方との転出入均衡達成目標はいまだ達成できて
いないなど、その実現はいまだ道半ばである。新型コロナウイルス感染症(以下
「感染症」という。)が拡大したことに伴い、観光業などの地方経済を支える産業へ
の打撃や、地域コミュニティの弱体化など、地方の経済・社会は大きな影響を受け
た。高齢化や過疎化などもともと地方が抱えていた構造的な問題とあいまって、地
方はまさに疲弊の極みにあり、地方の豊かさを取り戻すことは我が国にとって喫緊
の課題である。こうした課題を解決するためには、これまでの地方創生の成果を最
大限に活用しつつ、国や地方の取組を大きくバージョンアップさせ、地方の社会課
題を解決し、魅力を向上させることを通じて、地方活性化を図ることが求められて
いる。
こうした中、官民の様々な主体により、デジタル技術の活用が多方面で進み、他
地域の見本となる優れた取組も見られ始めている。また、感染症の影響が長期にわ
たったことで、地方への移住に対する関心の高まりや人の流れに変化の兆しが見ら
れたこと、民間企業の間でも、テレワークなど新たな働き方の動きが活発になった
ことなど、国民の意識・行動に変化が生じている。このように、デジタルは地方の
抱える社会課題を解決するための鍵である。また、新しい付加価値を生み出す源泉
でもある。このため、今こそデジタル田園都市国家構想の旗を掲げ、デジタルイン
フラを急速に整備し、官民双方で地方におけるデジタルトランスフォーメーション
を積極的に推進していく必要がある。
2.意義・目的
デジタル田園都市国家構想は、市場や競争に任せきりにせず、官と民とが協働し
て成長と分配の好循環を生み出しつつ経済成長を図る「新しい資本主義」の重要な
柱の一つである。地方の社会課題を障害物と捉えるのではなく、成長のエンジンへ
と転換していく。さらに、官が呼び水となって、民間の投資を集め、官民連携で社
会課題を解決し、力強く成長する。様々な社会課題に直面する地方にこそ、テレワ
ークや遠隔教育・遠隔医療など新たなデジタル技術を活用するニーズがあることに
鑑み、デジタル技術の活用によって、地域の個性を活かしながら地方の社会課題の
解決、魅力向上のブレークスルーを実現し、地方活性化を加速する。これがデジタ
ル田園都市国家構想の意義である。デジタル技術の進展を背景に、地方に住み、働
きながら都会に匹敵する情報やサービスを利用できるようになるなど、デジタル技
術を効果的に活用して、地方の「不便・不安・不利」の言わば3つの「不」を解消
し、魅力を高めることができる。このようにデジタル化の恩恵を日本の津々浦々に

1