提案書14(2601頁~2800頁) (141 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
374103
腹腔鏡下傍ストーマヘルニア手術
日本ヘルニア学会
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
13外科
18消化器外科
関連する診療科(2つまで)
00なし
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
有
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
載する
令和4年度
腹腔鏡下傍ストーマヘルニア手術
有
追加のエビデンスの有無
提案される医療技術の概要
(200字以内)
腹腔鏡下に腹腔内に到達し,癒着剥離後同定した傍ストーマヘルニアをメッシュを用いて修復する.
文字数: 45
対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)
傍ストーマヘルニア
傍ストーマヘルニアは患者QOLを著しくて低下させるため,外科手術がしばしば必要になる.傍ストーマヘルニアは腹壁瘢
痕ヘルニアの一種であるが,ヘルニアの一部を腸管が構成するという特殊性から”複雑腹壁瘢痕ヘルニア”に分類され(参
考文献1),近年の大規模なデータベース(*追加エビデンス,参考文献2,3)では,一般的な腹壁瘢痕ヘルニアよりも手
術が困難で手術成績も不良であると記載されている.このため,従来の腹壁瘢痕ヘルニアとは別個に保険収載されるべきで
ある.
文字数: 225
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等
全身麻酔が可能な傍ストーマヘルニア患者
②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)
全身麻酔下で腹腔鏡下に腹腔内に到達し,腹腔内癒着剥離後に傍ストーマヘルニアを十分に露出する.ヘルニアのサイズに
見合ったメッシュ(ヘルニア門半径:メッシュ半径=1:4あるいはヘルニア門面積:メッシュ面積=1:16)でヘルニアを
被覆し,縫合あるいはタッカーで固定する.
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)
区分
K
番号
医療技術名
633-2 1
腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア手術
既存の治療法・検査法等の内容
現在保険収載されている”腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア手術”は腹腔鏡下にサイズ,部位など状況を問わず腹壁瘢痕ヘルニア
を(主にメッシュで)閉鎖する術式である.
④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム
研究結果
③にあげた腹壁瘢痕ヘルニアには様々なバリエーションがある.腹部正中に発生した小さなヘルニアであれば修復は容易で
あるが,横径10cmを超えるようなヘルニア,再発ヘルニア,傍ストーマヘルニアなどは再発率や合併症発生率が高く,”複
雑ヘルニア”と定義される.中でも傍ストーマヘルニアはヘルニアの一部を腸管が構成するという解剖学特殊性から,欧州
ヘルニア学会では通常の腹壁瘢痕ヘルニアとは別に診療ガイドラインが作成されている.近年の2つのnation-wide cohort
studyでは,傍ストーマヘルニア手術は再発率13.5-35.9%(参考文献2),20%以上が5年以内に再手術(参考文献3)と手
術成績不良と報告している.
傍ストーマヘルニアを含めた複雑ヘルニアの治療成績が不良であるため,2010年にデンマークではこれらの手術をセンター
化し行うこととした.結果,センター化前後で緊急傍ストーマヘルニア手術における再手術例は44.9%から23%に,手術死
亡は10.3%から2%に減少した.(参考文献4).
2b
⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
ガイドライン等での位置づけ
⑥普及性
年間対象患者数(人)
国内年間実施回数(回)
※患者数及び実施回数の推定根拠等
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)
1.腹腔鏡下傍ストーマヘルニア手術は熟練した外科医であれば
安全に施行しうる.2.腹腔鏡下傍ストーマヘルニア手術は開腹
術に比べ再発率を低減できる可能性がある(参考文献5).3.腹
壁瘢痕ヘルニア手術は開腹より腹腔鏡が創感染が少ない(参考文
献5).
200
200
現在のDPC登録から本術式の実際の施行件数を知ることはできない.日本オストミー協会の調べ(平成23年)では本邦のス
トーマ保有者数は約150,000人ほどである.ストーマの~30-40%に本ヘルニアが発生すること,永久ストーマが約4割程度
であること,またそのうちの11-70%が手術に至ることを考慮すると,年間約1,800例ほどの手術症例数が発生することにな
る (150,000x0.3x0.4x0.1=1,800).しかし実際には,保存療法で経過観察される症例も多く,年間数百件が妥当な症例数と
考える.
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