提案書14(2601頁~2800頁) (175 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
整理番号
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
377101
毛様体光凝固術(眼内内視鏡を用いるもの)
日本緑内障学会
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
26眼科
00なし
関連する診療科(2つまで)
00なし
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
無
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
リストから選択
「実績あり」の
場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
載する
追加のエビデンスの有無
提案される医療技術の概要
(200字以内)
薬物や観血的治療によっても眼圧が下降しない難治性緑内障に対して、房水産生部位である毛様体を破壊して房水産生量を
著しく低下させる手術があり、これを毛様体破壊術と呼んでいる。従来は眼外からレーザーを照射する毛様体光凝固術と、
強膜上から冷凍凝固によって毛様体を破壊する毛様体冷凍凝固術があったが、今回、内視鏡を用いた眼内用ファイバーを用
いることで、毛様体を直接観察しながら光凝固できるようになった。
文字数: 196
対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)
難治性緑内障
緑内障治療において、薬物や手術によっても眼圧が下降しない難治症例が一定数存在する。こうした症例に対しては房水産
生部位である毛様体の一部を破壊することで、房水産生を抑制し、眼圧を下降させる方法(毛様体光凝固術あるいは冷凍凝
固術)が行われることがある。しかし、これらの方法は眼外から行われるため、毛様体の適切な部位に過不足なく凝固が行
われているかどうか不明であり、効果重視のため過剰凝固となることも多かった。これに対し、内視鏡を用いた眼内用ファ
イバーを用いることで毛様体を直接観察しながら光凝固できるようになり、必要最小限の侵襲で効果が期待できる。今後症
例数の増加が予想されるため、保険収載を要望する。
文字数: 299
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等
各種治療に反応しない難治性緑内障。年齢は問わない。
②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)
・方法;適切な麻酔ののち、角膜もしくは毛様体扁平部に切開創を作成し、専用のプローブ(MTレーザーファイバカテーテ
ル)を眼内に挿入する。内視鏡で確認しながら、毛様体ひだ部の凝固を行う。角膜からアプローチする場合は、水晶体が残
存している状態では施行できず、IOL眼、無水晶体眼、あるいは水晶体再建術を併用した施行が必要である。
・実施頻度;1回の凝固範囲は180-360度と言われているが、過剰凝固により房水が産生されない状態、つまり著しい低眼圧
による眼球の縮小(=眼球癆)により失明に至る可能性があり、多くても2回が限度と考えられる。
・期間;初回の治療でまったく効果がない場合、1週間程度の間隔で2回目を施行することがあるが、明確には決まっていな
い。
区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)
K
番号
医療技術名
271,272
毛様体光凝固術、毛様体冷凍凝固術
既存の治療法・検査法等の内容
・毛様体光凝固術;専用のプローブを結膜上から毛様体ひだ部に該当すると考えられる部位に押し当て、経結膜経強膜的に
毛様体ひだ部に集光させて毛様体の機能低下(房水産生抑制)を目指す。180度の範囲で施行し、効果が不十分な場合は再
施行することがある。
・毛様体冷凍凝固術;専用のプローブを眼球に押し当て、毛様体のひだ部と考えられる部位にあたるようにして、経結膜経
強膜的に冷凍凝固を行う。凝固直後に生じる結膜の凍結を目安に、重なり合うようにしながら180-270度の範囲で冷凍凝固
を行う。痛みが強く、また、毛様体の障害が高度で眼球癆に陥る可能性が高い。
④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム
⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
研究結果
・新規性、効果等について③との比較;毛様体の凝固術に関しては、電気凝固が1930年代に、冷凍凝固が1950年代に発表さ
れ、光凝固は1970年代から始まった。いずれも経強膜あるいは経瞳孔(眼外からの照射)だったが、内視鏡的光凝固術は
1992年に初めて報告された。我が国では2016年から難治緑内障に対する治療が一部の施設で開始されたが、医療用具として
本術式で使用されるMTレーザーファイバーカテーテルLCD20-10k/sが厚労省から認可されたのは2022年3月である。従来の方
法(③)と比べて、合併症が少ない、眼球癆や光覚消失が少ない、組織障害が少ないと報告され、難治緑内障に対して他の
術式と同等の眼圧下降効果が得られることも報告されている。
・長期予後等のアウトカム;Tanitoら(参考文献1)の10眼の報告では、術前眼圧27.3mmHgが術後2年の観察で12.9mmHgに下
降し、眼圧下降率53%、薬剤は1.7剤減、全例で眼圧を21mmHg未満にコントロール出来ていたとのことである。
Tanito M et al, Eye 34(3), 507-514, 2020.(参考文献1)
4
ガイドライン等での位置づけ
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)
2775
緑内障診療ガイドライン第5版における治療の項で毛様体光凝固
術の有用性が記載されている(P.116)(参考文献2)