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提案書14(2601頁~2800頁) (151 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険未収載技術用)
特になし
整理番号

※事務処理用

375102

提案される医療技術名

術中脳波麻酔モニタリング加算

申請団体名

公益社団法人日本麻酔科学会
31麻酔科

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

00なし
関連する診療科(2つまで)
00なし

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無



過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年度)

リストから選択

「実績あり」の
提案当時の医療技術名
場合、右欄も記
載する
有無をリストから選択

追加のエビデンスの有無

提案される医療技術の概要
(200字以内)

術中脳波麻酔モニタリングは、前額部に装着したディスポーザブル電極により取得した脳波をモニター表示し、持続的に得られた波形情報を周波数解析することに
より麻酔深度ないし鎮静レベルを数値として術中にモニタリングする技術である。

特になし 110
対象疾患名

保険収載が必要な理由
(300字以内)

術後悪心嘔吐予防、高齢者における術後認知機能障害減少や小児における覚醒時興奮および周術期呼吸器合併症の予防に利点があることから、揮発性吸入麻酔薬で
はなく主にプロポフォールを用いた全静脈麻酔(TIVA; Total Intra Venous Anesthesia)による麻酔維持を行うことが近年増えている。脳脊髄モニタリング時の
麻酔はモニタリング抑制をしないためにプロポフォールによるTIVAを第1選択とするが、静脈麻酔薬は至適効果部位濃度の個人差が大きく、また血中濃度をモニタ
リングすることができないため術中覚醒のリスクがある。脳波麻酔モニタリングを使用することでこれを回避することができる。

文字数: 296
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等

L002-1「静脈麻酔」又はL008「マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔」のうち全静脈麻酔(TIVA)で麻酔維持を行なった小児および成人

②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)

患者前額部にディスポーザブル脳波電極シールを貼付し、脳波モニタリング装置に接続する。脳波は持続的に取得され同時に数値解析が行われる。検査時間は麻酔
時間を超えることはない。TIVAで麻酔維持を行う患者の全例に使用する。

③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)

区分



番号
医療技術名

214
脈波図、心機図、ポリグラフ検査

既存の治療法・検査法等の内容

D235「脳波検査」は同時に8誘導以上の記録を行なった場合である。8誘導未満の誘導数により脳波を測定した場合は誘導数をD214「脈波図、心機図、ポリグラフ
検査」の検査数と読み替えて算定する。(令4保医発0304-1)

④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム

研究結果

(新規性)術中脳波麻酔モニタリングは前頭葉脳波から得られた波形を瞬時にアルゴリズム解析することでBIS値などの数値としてリアルタイムに麻酔深度ないし
鎮静レベルを表示できる。従来の脳波検査と異なり、専門家による脳波波形解析が不要であり、数値解釈が容易である。(有効性)コクランレビュー(2019)による
メタアナリシスにおいて術中覚醒予防に関する脳波モニター使用の有用性が示されており、少なくとも一つの多施設RCTにおいてTIVA時の術中覚醒に対する脳波モ
ニター使用の有用性が示されている。別のコクランレビュー(2018)によるメタアナリシスによると、TIVAによる麻酔維持が高齢者における術後認知機能障害を減少
させるという確度の低いエビデンスが示されている。米国Enhanced Recovery学会と米国日帰り麻酔学会の合同ガイドライン第4版(2019)によると、術後悪心嘔吐
(PONV)予防のために選択すべき麻酔法として、吸入麻酔の使用を避けTIVAを基本的な維持麻酔法にすることを推奨している。MEPモニタリング時の麻酔管理のた
めのプラクティカルガイドによると、脳神経モニタリングを行う際の麻酔方法として、プロポフォールによる静脈麻酔を第一選択とする。麻酔薬は濃度依存性に
MEPを減衰させるため、麻酔深度モニターや呼気麻酔薬濃度によって麻酔深度を一定に保つ。

脳波モニターガイド下全身麻酔は術中覚醒のリスクを低減する可能性があるが発生率が低いため確度の低いエビデンスにとどまる(コクランレビュー2019)
TIVAによる麻酔維持が術後認知機能障害を減少させるという確度の低いエビデンスが確認されている。 (コクランレビュー2018) 術後悪心嘔吐(PONV)を予防する
目的では基本的にTIVAで麻酔すべきである。(Anesth Analg 2020) 鎮静薬はプロポフォールによる静脈麻酔を第一選択とする。麻酔薬は濃度依存性にMEPを減衰
させるため、麻酔深度モニターや呼気麻酔薬濃度によって麻酔深度を一定に保つ。(MEPモニタリング時の麻酔管理のためのプラクティカルガイド 日本麻酔科学
会)

⑤ ④の根拠と
なる研究結果等

1a

ガイドライン等での位置づけ

⑥普及性

年間対象患者数(人)
国内年間実施回数(回)

ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載する。)

安全な麻酔のためのモニター指針(日本麻酔学会 2019年)脳波モニターは必要に応じて装着す
ること / MEPモニタリング時の麻酔管理のためのプラクティカルガイド (日本麻酔科学
会2018年)鎮静薬はプロポフォールによる静脈麻酔を第一選択とする。麻酔薬は濃度依存性に
MEPを減衰させるため、麻酔深度モニターや呼気麻酔薬濃度によって麻酔深度を一定に保つ。

432,912人
432,912回

※患者数及び実施回数の推定根拠等

社会医療診療行為別統計によれば、全身麻酔全体では、198,547回/月 → 2,382,564回/年
年間全身麻酔件数 2,382,564件×TIVAの割合 (23%)×TIVAのう
ち実際に脳波モニターを使用している割合 (79%) TIVAの割合は日本麻酔科学会JSA-PIMS台帳登録データ(2021年)より算出した。 TIVAのうち実際に脳波モニ
ターを使用している割合は日本麻酔科学会によるアンケート調査による。

⑦医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

日本麻酔科学会では「安全な麻酔のためのモニター指針」及び「MEPモニタリング時の麻酔管理のためのプラクティカルガイド」内において脳波モニターの装着を
推奨している。脳波解析は機械が行い、麻酔深度の目安となる数値がリアルタイムに表示されるため、使用にあたっての難易度は低く、誰でも使用可能な技術であ
る。

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