提案書14(2601頁~2800頁) (99 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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診療報酬区分(再掲)
診療報酬番号(再掲)
599-5
医療技術名
経静脈電極抜去術
③再評価の根
拠・有効性
1
レーザーシースを用いるもの
リード抜去術の適応の中で急速に重症化する疾患は、感染性心内膜炎・敗血症であるが、これは本体埋込部のポケット感染などから皮膚起源の微
生物が心内リードに沿って伝播することによって発症ないし重症化する。一般に大きな合併症がない緑色レンサ球菌心内膜炎患者での予想される
死亡率は10%未満であるが、同様な人工物に対する感染症である弁置換手術後のアスペルギルス心内膜炎の死亡率は実質100%になる。同様に、
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 植え込み型心臓電気デバイスのリード抜去を行わないで治療した場合は30日死亡率が7倍に上昇するとされている。米国のレーザーを用いた
後等のアウトカム
PLEXES試験では、エキシマレーザーシースと従来のリード抜去法との比較試験の結果、レーザー群の抜去成功率:94.3%(230/244)と非レーザー
群の64.2%(142/221)を有意に上回った(p<0.001)。 2018年から登録の始まった本邦のリード抜去レジストリーであるJ-LEXレジストリーでは
完全抜去成功率は96.7%、不成功は0.5%、合併症による中断が0.2%であった。
ガイドライン等での位置づけ
④普及性の変化
※下記のように推定した根拠
経静脈リード抜去は、以前からACC/AHA/HRSのConsensus documentにおいて、デバイス感染
症および他の非感染例においてもクラスⅠ規定がされている。2018年改訂の本邦の不整脈
非薬物治療ガイドラインから初めてリード抜去に関する本邦の推奨・エビデンスレベルが
示され、欧米のガイドラインと同様の位置づけが規定された。
リストから選択
本邦でのリード抜去のレジストリー研究であるJ-LEX研究は、2018年から登録が開始され、原則全例登録となっており、2020年の報告書では、
2019年1年間で580例、2020年は785例のリード抜去が施行され、レーザーシースは約70%で使用されていた。年々1.4倍の増加傾向率を示してお
り、2023年の年間症例数は少なく見積もって約1,200例程度のリード抜去例が見込まれ、その7割でレーザーが使用されていると約800人程度と推
測される。
見直し前の症例数(人)
700人
見直し後の症例数(人)
800人
見直し前の回数(回)
700回
見直し後の回数(回)
800回
年間対象者数の
変化
年間実施回数の
変化等
⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)
欧米での十分な使用実績のある手術手技であり、技術は十分に成熟しているといえる。危険性を伴う手技であるため、十分な知識とトレーニン
グ、施設基準が設けられており、学会もこれをサポートすべく、デバイス感染の対策と治療に関するセッションを繰り返し行って啓蒙活動に努め
ている。
当該手術は循環器専門医または心臓血管外科専門医を有し、かつ、指導医の元で所定のトレーニングプログラムを終了した医師が施行する手技と
定められており、術者は、少なくともICDやCRT(D)の埋込手術が可能である必要があり、重篤な合併症では死亡もあり得ることから、区分Eの
「特殊技術を有する専門医」となっている。
技術に対する習熟と、迅速な術中合併症対応が求められることについては、薬事承認添付文章にも記載され、また、厚生労働省からも施行医に
関する認定資格や施設基準等を策定するように指導があった。この結果、関達学会(日本不整脈学会、日本循環器学会、日本胸部外科学会、日本
心臓血管外科学会)が協議し、「エキシマレーザーリード抜去システム(CLeaRS: Cardiac Lead Removal System)の 国内導入に係る体制等の要件
について」(日本不整脈学会ホームページ、平成22年7月1日付)がステートメントとして公開された。
a. 本システムの臨床使用に当たっては、以下に示す施行に関する施設としての要件を満たす施設で実施される手技であるとする。
b. 本システムの施行施設には、循環器専門医の常勤医2名以上、かつ、心臓血管外科専門医の常勤医1名以上を必要とし、これら全員が手術時に
同時に立ち会える体制を構築しなくてはならない。
c. 本システム施行の施設的要件として、埋め込み型除細動器移植術の施設基準に適合した施設(ICD認定施設)であることを必要とする。
施設の要件
d. 本システム施行の施設的要件として、所定のトレーニングプログラムによる十分な研修を受けた医師が、2名以上常勤であることを必要とす
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 る。ただし、トレーニングプログラム実施中の医師が指導医または十分な経験のある施行資格を持った医師の監督下で手技を行う場合はこの限り
制等)
ではない。
e. 本システムを施行する施設に必要な装備等に関しては、トレーニングプログラムにおいて推奨される要件に準ずるものとする。
f. 本システムを施行する施設は、院内に倫理委員会、リスクマネージメント委員会、感染対策委員会が設置されており、必要に応じて各委員会
に症例を諮り、適応や合併症について検討することができる施設であることとする。
循環器専門医または心臓血管外科専門医を有し、所定のトレーニングプログラムによる十分な研修を受けた循環器専門医又は心臓血管外科専門医
人的配置の要件
のみが行うことができる。緊急開胸手術に移行することを想定し、循環器専門医が行う場合には心臓血管外科専門医が直ちに手術に加わることが
(医師、看護師等の職種や人数、専門 できる人的配置が必要である。手術には協力医師(術者以外)2名、看護師1名、技師2名(臨床工学技士、放射線技師各1名)で、手術時間は平均
性や経験年数等)
2.0時間である。
その他
本システムの臨床使用に当たっての適応は、2018年改訂の不整脈非薬物治療ガイドラインおよび 2017 年 Heart Rhythm Society Expert
(遵守すべきガイドライン等その他の Consensus ならびに 2010 年 AHA Scientific Statement を十分考慮に入れて行う。
要件)
⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
2018年から登録の始まった本邦のJ-LEXレジストリーの2019年報告書によると661例中手術死亡は0例で、重篤な合併症も心タンポナーデ1.1%, 血
胸0.2%と低値であった。1,449症例のレーザーリード抜去の結果を解析したLEXICON研究では、リード抜去成功率96.5%、重篤な合併症の頻度が
1.4%、そのうち死亡率は0.3%と報告されている。ヨーロッパで最大の前向きレジストリー研究でも、レーザーを含むpowered sheathの使用は
27.1%であり、臨床的成功率は96.7%と高率で、手技関連死亡率は0.5%と低値であった。
⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
特になし
⑧点数等見直し
の場合
見直し前
見直し後
その根拠
28,600
91,354
外保連試案より、技術難度E、協力医師2人、看護師2人、技師2人、3時間で計算。
区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)
区分をリストから選択
番号
技術名
特になし
特になし
具体的な内容
特になし
増(+)
プラスマイナス
⑩予想影響額
予想影響額(円)
502,032,000
その根拠
{91,354点(増点後点数)-28,600点(現行点数)}x10(係数)x800(年間予想手術件数)=502,032,000円が見込まれる。
備考
特になし
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