提案書14(2601頁~2800頁) (63 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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整理番号
※事務処理用
提案される医療技術名
申請団体名
370101
膵酵素阻害剤・抗生物質持続動注療法
日本腹部救急医学会
主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科
18消化器外科
04消化器内科
関連する診療科(2つまで)
28放射線科
提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無
有
過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
載する
平成30年度
蛋白分解酵素阻害剤・抗菌薬膵局所動注療法
無
追加のエビデンスの有無
提案される医療技術の概要
(200字以内)
死亡率の高い重症膵炎に対しては、その治療に難渋することが多い。以前より、膵酵素阻害剤・抗生剤の持続動注療法の有
用性の可能性について多数の報告がされており、壊死への進展抑制・感染予防効果・救命率の改善が期待される治療法であ
る。しかしながら、依然として本治療法は保険適用となっていないことを理由に、ガイドラインでも推奨度も高くない。
文字数: 164
対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)
急性膵炎
急性膵炎診療ガイドライン2021年改訂版では“動注療法の有用性は証明されておらず、保険収載がないため、臨床研究とし
て実施する”と示された。これは、動注療法の有用性を検討したRCTのメタ解析で、死亡リスク、膵壊死形成リスクにおい
て有用性が示されなかったことによるが、海外のRCTで手術施行率は有意に低下したとする報告もある。さらに極めて重症
度の高い患者に対する傾向スコアマッチング法の解析では有意に院内致命率の低下が報告されている。故に本邦においても
保険収載された後の前向き研究としての広範壊死を疑う重症膵炎において、RCTによる検証が必要と考えられる。
文字数: 276
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等
重症急性膵炎の内、CT画像で膵実質に壊死性変化を疑う造影不良域を示す病態
②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)
腹腔動脈(あるいは腹腔動脈と上腸間膜動脈)から動注用カテーテルを挿入・留置し、1ないしは2経路から蛋白分解酵素阻
害薬(nafamostatmesilate 240 mg, あるいはgabexatemesilate 2400 mg)を持続動注する。また8-12時間毎に、1ないしは
2経路から抗菌薬を0.5-1時間かけて動注する。
重症急性膵炎の診断で入院後に膵局所動注療法実施の同意を得た後に治療を開始する。治療期間は平均5日間。
実施頻度としては、急性膵炎の診断で入院される患者の約10%程度が対象となることが想定される。
区分
③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)
区分をリストから選択
番号
医療技術名
既存の治療法・検査法等の内容
④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム
⑤ ④の根拠と
なる研究結果等
研究結果
重症急性膵炎の発症早期における基本的治療方針は適切な輸液、循環・呼吸管理を中心とした集中治療と早期からの経腸栄
養(経胃栄養)である。膵動注療法は、膵の炎症の早期鎮静化と感染予防を目的とした補助的治療であるため、比較対象と
なる治療法は存在しない。
これまで同様な治療法はなく、広汎な壊死形成を疑う極めて重篤な患者に対しては、膵動注療法が生命予後を改善する可能
性があり、致命率の高い重症急性膵炎の予後の改善に寄与する可能性がある。
対象を造影CTで膵造影不良を呈する造影CT Grade2以上かつICUに入室した極めて重症度の高い患者に対象を絞って行われた
傾向スコアマッチング法の解析では、動注群が対照群と比較し有意に院内致命率が低かった (13.5% vs. 20.0%, 調整
OR=0.62, 95%CI: 0.39-0.98, P=0.041)。(J Gastroenterol 2018: 53: 1098-1106)
3
ガイドライン等での位置づけ
⑥普及性
年間対象患者数(人)
国内年間実施回数(回)
※患者数及び実施回数の推定根拠等
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
る。)
1,200人
60回
保険収載ないため推奨しない
2016年受療患者を対象とした最新の全国調査(日本膵臓学会主導)では、人口10万人あたり61.8人と推計されている。二次
調査では、23.6%が重症、76.4%が軽症と診断された。重症と診断されたものの内、予後因子と造影CT Gradeの両方で重症
と判定されたものは12.6%であった。
・対象患者数:日本国人口(1億2332万) ÷ 10万人 = 1233.2
・国内年間実施回数:全体の0.5割 約60回
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