提案書14(2601頁~2800頁) (185 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html |
出典情報 | 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》 |
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分された。そのためNDBデータベースではまだ公表されていない。そこで、従来の「同(眼外法)」の件数(緑内障手術件数)から勘案する
と、第5回NDBデータベース(平成30年)では23,394件(50,382件)、第6回(令和2年)28,435件(58,043件)、第7回(令和4年)28,900件
(60,006件)であった。緑内障手術総数の増加に比べて、「流出路再建術」の件数の増加は徐々に鈍っていることから、見直し前は29,000
人、見直し後は多くとも30,000人とした。なお、回数は再手術を1割程度とし、見直し前は31,900回、見直し後は33,000回とした。
④普及性の変化
※下記のように推定した根拠
見直し前の症例数(人)
29,000
見直し後の症例数(人)
30,000
見直し前の回数(回)
31,900
見直し後の回数(回)
33,000
年間対象者数の変化
年間実施回数の変化等
⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)
本術式は前房内操作により線維柱帯を切開するため、白内障手術に精通した術者であれば施行は可能である。ただし、隅角の構造をよく理解
し、また術中に隅角鏡の操作が必要であるため、眼科専門医による施行が望ましい。緑内障診療ガイドライン第5版によれば、「十分な隅角手
術の経験のある術者が行うべき手術であり、安易に行うことは厳に慎むべきである」(P.119)と記載されている。
・標榜科;眼科。
・手術件数;眼内からシュレム氏管に器具を挿入し、当該術式と同じように眼圧下降を目指す白内障手術併用眼内ドレーン使用要件等基準に
おける実施医基準によれば、水晶体再建術100件以上経験し、かつ観血的緑内障手術を10件以上経験のある医師となっていて、同等の基準が必
施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 要と考える。
・検査や手術の体制等;緑内障の進行評価が可能で手術適応を決めるために必要な視野検査が行え、眼圧測定や隅角鏡検査が行える通常の細
制等)
隙灯顕微鏡があれば良い。白内障手術と同様に顕微鏡下での手術が行える環境が必要である。他の術式と異なり、手術直後の管理は他の緑内
障手術ほど難しくなく、緑内障専門家でなくても一般の眼科診療が行える眼科医であれば術後管理は難しくない。
・施設基準
(技術の専門性等を踏まえ、必
要と考えられる要件を、項目毎
に記載すること)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 術者1名、助手1名、看護師2名必要で、術者に関しては、上記の実施医基準を満たす眼科専門医。
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 特になし
要件)
⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
線維柱帯切開による逆流性出血と、その出血による一過性の視力低下、また、感染症のリスクなどは既存の手術と同様と考えられる。眼内操
作のため、角膜内皮損傷や虹彩損傷に関しては、水晶体再建術と同等と考えられる。水晶体損傷の可能性はあるが、既報では報告されておら
ず、その頻度は不明であるが、上記の実施医基準を満たした医師であれば非常に稀と考えられる。
⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
倫理性に関しては問題なし。中長期の成績(参考文献1、3)により、安全な術式であることが示され、結膜や強膜の切開・縫合が不要で低侵
襲であることを考えると社会性妥当性は高いと考えられる。
⑧点数等見直しの場合
見直し前
見直し後
その根拠
-
-
-
区分
番号
⑨関連して減点や削除が可能と
考えられる医療技術(当該医療 技術名
技術を含む)
具体的な内容
区分をリストから選択
-
増(+)
プラスマイナス
⑩予想影響額
特になし
-
-
予想影響額(円)
57.960,000
その根拠
令和4年度の第7回NDBオープンデータにおいて、手術の都道府県別算定回数を調べると、流出路再建術(眼外法)全国総計28,900件のうち、東
京・神奈川など大きな都市を除いた、いわゆる医療過疎地での件数はおよそ1/3の9,000件程度であった。その中で、過疎地域から中核病院へ
の紹介患者数は2割程度で、都市部の中核病院への本術式の紹介を断った患者はそのさらに2割程度の400人と見積もった。その結果、144,900
円×400人=57,960,000円程度の増加と試算した。
備考
⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬品、医療機器
又は体外診断薬
特になし
⑫その他
施設基準が改正されて、常勤眼科医が不在のクリニックや病院でも本術式が行えるようになると、専門施設への患者の集中が緩和できると考
えられる。
⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等
特になし
1)名称
Long-term clinical results of trabectome surgery in patients with open-angle glaucoma
2)著者
Kono Y, et al
3)雑誌名、年、月、号、ページ
Graefe's Archive for Clinical and Experimental Ophthalmology (2020) 258:2467–2476
4)概要
249例305眼に対して行ったトラベクトーム手術(眼内法の一種)の72か月の成績を追った研究。術前の平均眼圧29.2mmHgが術後平均16.4mmHg
に下降していた。72か月の成功率は21mmHgをカットオフ値としても44%であり、低い眼圧での長期手稲コントロールは困難であったが、遷延化
した低眼圧や感染症など、著しい視機能低下をもたらすような重篤な合併症はほとんど見られず、安全な術式であることが示されている。
⑭参考文献1
2785